「血の小便をしてでも家を護ろう」戦争で4人の息子を失った父を見た、特攻隊員の弟の決意【特攻作戦から80年】

『「特攻」の聲 隊員と遺族の八十年』(KADOKAWA)

宮本 雅史

2024/10/41,870円(税込)288ページISBN: 978-4041150467

彼らは私たちに何を遺したのか? 特攻隊員たちの声なき声に耳をすます

【「エンジンのついた爆弾」で飛んだ男は、戦後三十年、誰にも語らず水道を整備した】
昭和19(1944)年、苦戦を余儀なくされる中で組織された必死必殺の「特別攻撃隊」。大戦中「軍神」として崇められ、戦後は戦争犯罪者と言われた隊員や遺族たちには、胸に秘め続けた想いがあった。
笑顔の写真を残した荒木幸雄、農場経営が夢だった森丘哲四郎、出撃直前「湊川だよ」とつぶやいた野中五郎……自らの命を懸けた特攻隊員たちは、私たちに何を託したのか?  30年以上にわたり元隊員と遺族の取材を続けてきた記者が、今だからこそ語られた証言に耳を澄ます。

最初の特攻出撃を見送った第一航空艦隊副官
「娑婆の未練」を断ち切り二度飛び立った元隊員
沖縄で特攻機の最期を目に焼き付けた女性
晩年、想い人の遺影を病床で握りしめた婚約者
彼らの「戦後」は終わっていなかった――