麻生氏は維新と連立で石破おろしを画策
一方、こうした主流派の動きとは別に、党内では非主流派が「秘策」を練っているという。
麻生太郎最高顧問に近い関係者が明かす。
「日本維新の会の取り込みだ。麻生氏と茂木敏充前幹事長は、岸田政権のときに維新との連携に動いた。維新は今回の選挙で苦戦している。馬場伸幸代表は進退がかかっているだけに、連立の打診があれば検討するのではないか」
つまり、高市氏と共に反・非主流派に転じた麻生、茂木両氏が軸となって、維新との連立工作を画策しているというのだ。
与党が過半数を維持できても、240議席程度なら政権は不安定になり、立憲民主党に揺さぶられて来年夏の参院選の行方は不透明になる。
しかし、維新と3党連立を組めば、少なくとも政権基盤は安定する。
「積極的なのは茂木氏だ。馬場氏サイドと連絡を取り、馬場氏に『石破をおろせば検討したい』と言ってほしいと頼み込んでいるようだ。馬場氏は返事をしていないが、まんざらでもなさそうだ」(同)
石破首相退陣を条件に維新が連立入りを決断すれば、臨時総裁選で高市氏を一気に押し上げ、高市政権を誕生させるという腹だ。
果たして、10月27日投開票の結果はどのようになるのか。自民党が単独過半数を維持するか、過半数を割っても与党で国会を安定的に運営できる250議席程度を獲得できれば、石破首相の懸念は杞憂に終わり、高市、麻生、茂木各氏らの政権奪取構想も水泡に帰す。
ただ、首相がこの局面を乗り越えたとしても、勢力を拡大する野党の攻勢が強まるのは必至だ。
次の政治決戦となる来年夏の参院選まで命脈を保っている保証はどこにもないのである。
「週刊実話」11月7・14日号より一部内容を変更