【東レPPOテニス】決勝はパリ五輪金メダルのジェン・チンウェンと元全豪オープン覇者ソフィア・ケニンに決定!<SMASH>

 国内最大規模を誇る女子テニスツアー「東レ パン パシフィック オープンテニストーナメント 2024」(10月21日~27日/東京・有明/ハードコート/WTA500)は26日、シングルスとダブルスの準決勝4試合が実施され決勝進出者が決まった。

 シングルスは第1シードのジェン・チンウェン(中国/世界ランク7位)と元全豪オープン覇者で今大会はワイルドカード(主催者推薦)で出場しているソフィア・ケニン(アメリカ/155位)がともにストレートで勝利を飾った。

 今夏のパリ五輪で金メダルを獲得するなど、今やアジア最高峰の選手として名を馳せるジェン。対するは今季、ハード、芝、クレーと異なるサーフェスで3勝を挙げている20歳のディアナ・シュナイダー(ロシア/同16位)。

 ジェンは第1セットの立ち上がりから4ゲームを連取するなど好スタートを切るも、「リードしたことでスピードを緩めしまい大きくコートを使うことができなくなった」ことで追い上げられ、タイブレークの末に苦しみながらセットを手にする。そうした反省を踏まえて臨んだ第2セットは、先に相手にサービスブレークを許すも、すぐにブレークバックに成功。集中力とギアを1段上げたジェンは、そのまま走り切って勝利をつかみ取った。

 準優勝した2020年大会以来の決勝進出を果たしたジェンは、「また(東レPPOの)決勝に戻って来られて本当にハッピーな気持ちです。今日は少し苦しんだ場面もありましたが、こうして最後に勝利を得ることができてうれしく思っています」と試合後に心境を語った。
  一方、ケニンと対峙したのは第9シードのケイティ・ボールター(イギリス/同33位)。フラット系のハードヒットを武器に今季2勝を獲得している難敵だが、ケニンはスピードこそ劣るものの高精度のストロークを広角に打ち分けて相手のミスを誘う。加えてサービス成功率が50%台と精彩を欠く相手から第1セットは2度のブレークを奪って6-4で先取する。

 第2セットは競り合う場面でポイントを譲らはいケニンが第7ゲームで値千金のブレークに成功し、そのままリードを保ち6-4で戦いに終止符を打つ。だがケニンは、勝利を決める一つ前の第9ゲームでボールを追う際に右足の内転筋を痛めてしまう。

 今大会ではダブルスの準決勝にも進出しているケニンは、シングルスの試合後に治療を受け、ベサニー・マテック サンズ(アメリカ)と組んで柴原瑛菜/ラウラ・シグムンド(ドイツ)と対戦。だが第1セットの2-5となったところで右足が悲鳴を上げプレー続行不可能に陥り途中棄権となった。

 試合後の会見で足の状態を聞かれたケニンは「痛みはあるが明日の(シングルス)決勝に向けてしっかりと治療をして、今のところは明日プレーするつもりでいるし、そのためのあらゆる準備をする」と現状報告した。

 東レPPOテニス2度目の決勝進出を果たしたジェンと、昨年9月のメキシコ大会以来となるツアー大会決勝進出を果たしたケニンによる決勝。両者はこれが初対戦となる。

 なおダブルス準決勝に勝利した柴原瑛菜/L・シグムンド(日本/ドイツ)は、もう一つの準決勝で第1シードを下した青山修子/穂積絵莉(日本)とタイトルを懸けて戦うことになった。

■10月26日の試合結果
【シングルス準決勝】
〇S・ケニン(アメリカ)[WC] 64 64 K・ボールター(イギリス)[9]●
〇ジェン・チンウェン(中国)[1]  76(5) 63 D・シュナイダー(ロシア)[6]●

【ダブルス準決勝】
〇柴原瑛菜/L・シグムンド(日本/ドイツ) Ret. S・ケニン/B・マテック サンズ(アメリカ)[3]●
〇青山修子/穂積絵莉(日本) 64 26 [10-5] G・ダブロウスキー/E・ロウトリフ(カナダ/ニュージーランド)[1]  

※[WC]はワイルドカード、名前の後の番号はシード

取材・文●小松崎弘(スマッシュ編集部)

【画像】パリ五輪金メダリスト! ジェン・チンウェンがシュナイダーを破り決勝進出!!

【画像】足を痛めながらもボールターを破りケニンが決勝進出!

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