秋らしくなってくると、年末の大掃除がちらちらと頭をよぎりますよね。日頃からこまめに掃除をしていれば、そこまで気が重くなることはないわけですが、「毎日ただでさえ忙しいのに、それはめんどくさい!」という人も多いのではないでしょうか。

そこで取り入れたいのが「ミニマリズム」の考え方。モノを手放すと、掃除がうんと楽になり、そして本当に大切なモノとやりたいことが見えてくるといいます。「ミニマリズム」と聞くと、真っ白で殺風景で生活感のない空間が思い浮かびますが、じつはそこまできっちりがんばらなくても、心地よい暮らしは手に入るようです。

YouTuberで、SNS総フォロワー数約16万人のmai minimalismさんは、もともと「ズボラ」で「めんどくさがり屋」のミニマリストだといいます。初の著書『がんばらないミニマリズム モノ・時間・暮らしのゆとりをつくる』(祥伝社)では、そんな自身が「これならできそう」と思い、試行錯誤してたどり着いた、モノを減らすコツを大公開。「モノ・家事・ストレスの手放し方」を教えてくれる一冊です。

快適になったはずが息苦しい…。ミニマリズムの限界

mai minimalismさんは、普段は看護師として働きながら、ミニマリズム(最小限主義)を取り入れたライフスタイルをYouTubeで発信しています。以前の部屋は荒れ放題だったそうですが、ミニマリストの暮らしに憧れて、自身もミニマリストに。

水切りかごにはじまり、ソファー、ダイニングテーブル、炊飯器、テレビ……小物から大物まで、ひたすら手放していきました。しかし、そのうちモノを減らすこと自体に執着するようになり、生活は快適になったはずが息苦しく、ミニマリズムの限界を感じたそうです。

そこでいったん立ち止まり、「私のミニマリズム」とはなんなのかを突き詰めていったところ、「自分が本当に大切にしたいことに集中できるように、身の回りの不要なモノを手放していく考え方」だと気づいたといいます。

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手放すことに罪悪感。もう悩まない「3つの問いかけ」

mai minimalismさんの経験上、ミニマリズムを実践する中でいちばん大変なのは、「モノを手放すこと」だといいます。たしかに、いざ捨てるとなると罪悪感を覚えます。かといって必要なわけでもなく、部屋の一角に何年も放置したままのモノって、結構ありますよね。

ただ、自分なりのルールを決めておけば、毎度そこまで悩むこともなくなります。著者が実践している、「手放す時に悩まない3つの問いかけ」というシンプルな判断基準を見てみましょう。

1 それは使っているか?

「今使っているかどうか」。判断がつかない場合、「1年以内に使ったかどうか」で選別します。たとえば、以下のモノは手放すことを検討してみましょう。

・便利アイテム(ゆで卵スライサー など) → なくてもどうにかなる!
・多すぎるモノ(エコバッグ、タオル など) → 1つに絞る or 必要な分だけ持つ!
・無料でもらえるモノ(紙袋、試供品、保冷剤 など)
・用途がよくわからなくなってしまったモノ(コード類、ネジ、ボタン など)

2 それはほかで代用できるか?

「ほかのモノで代用できるかどうか」。特にキッチン用品は○○用と決まっていることが多いですが、意外とほかのモノで代用できます。

・トースター:フライパン or オーブンレンジで代用
・水切りかご:ふきんで代用
・シンクの三角コーナー:排水口のゴミ受け or 古紙で折ったゴミ入れで代用
・トイレシート:「キッチンペーパー×除菌スプレー」で代用

3 それは大切なモノか?

「自分にとって大切なモノかどうか」。著者の「大切なモノ」の定義は、「日々の暮らしに喜びをくれるモノ」。そういうモノを無理に手放す必要はありません。ただ、感情も状況も時とともに移ろいゆくため、大切なモノがいつしか大切ではなくなることも。価値観の変化に気づいた時、今の自分にとって本当に大切なモノが見えてきます。