・過酷! 和食の世界
と思ったら、蒸し布がコゲている匂いだった。
「かぶせろ」と言われて素直にかぶせたら危うく大火事リスクとは、和食の世界はかくも厳しいものである。「弱火で15〜20分蒸す」とのことだが、好奇心と不安感から5分後にフタを開けてみたところ……
蒸し布が完全に浸かっていた。和食の世界厳しすぎだろ。
そして約束の20分後。どう見ても固まっていなかったので、蒸しの続行が確定。「約束の時間を過ぎても固まっていなかった場合の対処法」など当然書かれていない。そもそも火加減とかフタのずらし方も全然自信がなかったし、こればっかりは経験を積むしかないよなぁ。
蒸し始めてから30分後。ついに玉子どうふは固まった。固まり過ぎたと言っても過言ではないかもしれない。
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・スゴかった
で、完成した玉子どうふがこちら。
「汚ねぇな」……そう思っただろう? まぁ待て。これには理由がある。
今度は加熱時間が長くてやや固まりすぎてしまったのだ。ステンレスのヘリにこびりついた玉子どうふをスプーンではがし、エイヤッ! とひっくり返す。
その結果がコレである。まぁ私は硬いプリンが好きだし、何も問題はないでしょう。
スーパーに売ってる玉子どうふと比較すると10倍くらいのサイズ感。
スーパーに売ってる玉子どうふの個人的な所感は「存在感のない食い物」あるいは「究極の箸休め」といったところだ。腹持ちが悪くて、味が薄くて、メチャクチャおいしいとかではない。なくてもいいけど、あったら嬉しい……それがスーパーに売ってる玉子どうふ。
対する手作り玉子どうふ。これはスーパーのとは全く別の食べ物と捉えていいだろう。腹持ちが良くて、卵とダシの味がドッシリ感じられて、メチャクチャおいしい。そう、例えるならズバリ……
「具のない茶碗蒸し」そのものッ!!!!!
今回は初挑戦のため若干手間取ってしまったが、玉子どうふは慣れたら非常に簡単な料理である。おまけに超ヘルシーで材料費も安いから、フトした間食などに最適。お世辞抜きで私は今後しばらく作りつづけると思う。
今「レンジでもできそう」と思った君へ。「だし」「裏ごし」「蒸し」という人生における重要な体験ができたという点において、私は玉子どうふ器を買ってよかったと確信している次第だ。まぁ最悪レンジでもいいから、みんな手作り玉子どうふを食べてみるべし! これはイイぞ!
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.