【NOAH】引退控える齋藤が若手3人がけで“彰俊魂"注入 鬼のファイトで故郷・仙台に別れ

『SUNNY VOYAGE 2024 〜Akitoshi Saito Ridge Road Last SENDAI〜』宮城・仙台PIT(2024年10月27日)
○齋藤彰俊vs小田嶋大樹×
○齋藤彰俊vs大和田侑×
△齋藤彰俊vs宮脇純太△

 故郷・仙台でのラストマッチを迎えた齋藤が、若手との3人がけマッチで鬼ファイトを展開。「本当はつらいよ。だけど、見せられないのがプロレスラーだ!」と“彰俊魂”を注入した。

 11・17名古屋大会での引退試合まで、いよいよ3週間となったこの日。中学時代まで過ごした故郷・仙台でのラストマッチに臨んだ。

 試合は小田嶋、大和田、宮脇相手の3人がけ・シングルマッチ。トップバッターの小田嶋は、タモンズシューター、回転地獄五輪、デッドエンド…と、齋藤の戦友でもあった師匠・本田多聞譲りの技を仕掛け続けたものの、齋藤も受け止め続けてスイクルデスをズバリ。あえてカバーにいかずに「立て!!」と怒声を響かせると、必死に立ち上がった小田嶋にトドメの低空スイクルデスを叩き込んで3カウントを奪った。

 続く大和田の攻撃も真っ向から受け止め続けた齋藤は、逆に裏落としを連発。やはり「立てぇ!!!」と凄み十分に叫び、必死に食らいつき続ける大和田を最後は急角度のバックドロップで問答無用に黙らせた。

 3人目の宮脇相手にも場外パイルドライバーを繰り出す鬼ファイトを展開。宮脇も気迫で食い下がり続け、裏落としからのラリアットを浴びてもキックアウト。齋藤のバックドロップ狙いをなんとか踏ん張り通し、3人で唯一の10分時間切れに持ち込んだ。

 合計22分44秒におよんだ3人がけマッチ。若手相手にかなり体力を消耗したはずだが、齋藤はあくまで真一文字に結んで徹底して“高楊枝”を決め込んだ。

 そして宮脇相手に「張ってこい」と頬を差し出し、応じた宮脇と張り手を交換。最後は最敬礼の若き3人とじっくり握手を交わし、「みんな! これからもNOAHをよろしく!」と地声で叫んで、故郷・仙台のリングに別れを告げた。

 バックステージでは、過酷な3人がけが組まれたことに「虐待じゃないのかなって思って」と笑った齋藤だったが、「でも伝えなきゃいけないことやらなきゃいけないことあるから。ものすごく強くなってもらいたい。だから俺もやせ我慢だ。本当は辛いよ。でもそれが見せられないのがプロレスラーだ!」と含蓄あるコメント。仙台では若手に“彰俊魂”を注入した齋藤。続く10・30新潟大会では井上雅央と組んで、潮崎豪&谷口周平組と対決する新潟ラストマッチに臨む。

【齋藤の話】「今日は3人掛けをやりましたけど、来るたび来るたびこれからのNOAH、ジュニアとしてやる選手がフレッシュな状態で来て。NOAHの前途は明るいかなと。俺も本当はこの試合で俺の虐待じゃないのかなって、本当は若いヤツらがやらないといけないかもしれないけど、俺は伝えなきゃいけないこと、やらなきゃいけないことがあるから。あの3人には最後この俺がリングに立っている姿を見て、今後につなげて、物凄く強くなってもらいたい。だから、俺もやせ我慢だ。本当はつらいよ。だけど、見せれないのがプロレスラーだ! いいか、お前ら3人。これからプロレスリング・ノアをよろしく頼むぞ。ありがとうございました」

【宮脇の話】「クソ。最後、齋藤さんはピンピンしてましたね。クソ。でも、齋藤さんがリング上で『これからのジュニアはお前に任せたぞ』と言ってくれました。齋藤さんの気持ちを全部リング上で感じ取れたと思います。これからトーナメントが始まりますが、新しいノアジュニアは僕が引っ張っていきます。齋藤さん、今日は本当にありがとうございました」