キャリア2年目を迎えウェンバンヤマがビルトアップ!同僚たちも「明らかにパワーアップしている」と太鼓判<DUNKSHOOT>

 キャリア2年目を迎えたヴィクター・ウェンバンヤマのシーズン初戦は、ダラス・マーベリックスに109-120で敗戦と、黒星での幕開けとなった。

 ウェンバンヤマはチームハイの9リバウンドに17得点と、ダブルダブルにあと一歩という数字を記録。だがアウトサイドシュートは8本打って成功は1本のみと振るわず、フィールドゴール成功率は27.8%と、シューティングに課題を残す結果となった。

 試合後の会見では、この試合での自身のシューティングについて「感覚の問題」であると回答。「フィジカルコンディションは言い訳にできない」と前置きしつつ、ミスショットについては「試合でシュートを打つ感覚を取り戻すことが重要」だと説明している。

「自分にとって、一番重要なのはリズムに乗ってシュートを打つこと。フロアのどのエリアからでも抵抗なくシュートを打つことができるけれど、それと同時に、リズムに乗っていないと、どのエリアから打っても外してしまうんだ」
  ジェレミー・ソーハンからアリウープパスを受け、あとは押し込むだけなのに外したり、ドリブル中にクレイ・トンプソンにボールを奪われたり、ディフェンスでも、いつもなら叩き落とせているような相手のシュートを防ぎきれないシーンも見られ、たしかに“リズムに乗っていない”感じはプレーに表われていた。

「自分は夏の途中から、選手の中にはほぼ6か月間、フルマッチを戦っていない者もいる」と、チーム全体がまだ波に乗り切れていないことを指摘したウェンビー。ただ「ではどれくらいで通常のペースを取り戻せるのか?」と尋ねられた時には「それほどかからない。1、2試合だろう」と自信を覗かせた。

 このオフには意識的に筋力増強にも励んだウェンバンヤマ。とりわけ、腹筋周りの強化に勤しんだようだが、とは言ってもジムに籠ってダンベルを黙々と上げ続けたわけではなく、身体全体を動かすトレーニングの過程で着実に筋力を増やすという手法をとっているという。
  その効果はチームメイトたちの目にも明らかなようで、ザック・コリンズは「ピッチの至るところで、ますますスキルが上がっている。去年は、彼を押し出そうとするとシュートを打つのが難しそうだったけれど、今は安定感がずっと増している」とビッグマン同士の競り合いを例に挙げてコメント。ソーハンも「ウォームアップ中にフィジカルエクササイズをするんだけど、(ウェンビーは)明らかにパワーアップしている。まあ、彼の鍛え方を見ていれば驚きはないけれどね」と、フランスの『レキップ』紙に証言している。
  限界まで追い込みつつも、やりすぎたり、ケガのリスクを負わないレベルのギリギリの境界線を見極めながらフィジカルトレーニングに取り組んでいるウェンバンヤマ。

 1年目を終えて身をもって感じた課題に取り組みながら、今季はどのような成長ぶりを見せてくれるのか。彼自身と同じくらい、バスケファンも期待している。

文●小川由紀子

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