薄氷勝利の萩生田氏、追加公認については「(自民党の)マニフェストもまだ見てないのでわかりません」と石破政権に恨み節…比例復活の有田氏は「これで終わりじゃない」

「萩生田光一さんを倒せば安倍政治の終わりになる」

一方、終盤に追い上げ萩生田氏に並んだとの見方もあった有田氏の事務所は、小選挙区での敗北で沈んだ空気に包まれた。

だが、萩生田氏の当確報道から約2時間後の28日未明、比例代表で復活当選したと伝えられ、事務所は再び活気に包まれた。

参議院議員を2期12年間務めた経験がある有田氏は、立憲民主党が2012年に下野して以降最大の勢力を占める国会に衆議院議員として戻ることになる。

「今回選挙戦を歩いて、子どもたちやシングルマザーの貧困がものすごく広がっていることを実感しました。これまで取り組んできた包括的差別禁止法の制定や沖縄問題、北朝鮮の拉致問題に加え、格差・貧困の問題を、八王子を足場に新たなテーマとして取り組んでいきます」と有田氏は決意を語った。

一方、選挙戦で有田氏は「アベノミクスによって生活は苦しくなり、差別と貧困は広がり、安保法制で緊張も高まりました。萩生田光一さんは安倍さんの一番の側近。つまり、ここで萩生田光一さんを倒せば安倍政治の終わりになるんだと、私は思って今ここに立っている」と訴えてきた。

「2000万円が支給されていたとの報道が出た後、有権者の反応はがらっと変わりました。『(萩生田氏を)絶対叩き落してください』って、叫ぶように言う人がいっぱいいました。萩生田さんが当選したからといって、こうした問題が消えるわけじゃない」

そう話す有田氏は「これから国会で、こうした戦いを続けていかないといけない」とも話した。

短期決戦の選挙の末に勢力地図が大きく塗り替わった国会では、与野党の綱引きと自民党内部での権力闘争が同時に激化する見通しで、政治は先の見通せない流動期に入っていきそうだ。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班