阪神甲子園球場(C)週刊実話Web

クライマックスシリーズ・ファーストステージ敗退から、わずか2日後に阪神タイガースの指揮官就任会見に臨んだ藤川球児氏(44)。10月22日の秋季練習に登場し、慣れ親しんだ甲子園球場で背番号22を披露したが、その監督就任劇が「駆け足」で行われた感は否めない。

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「岡田彰布前監督(66)が体調不良で、退任会見が行われていない。前年は優勝して、日本一。今季も最後まで優勝争いをしました。岡田氏のほうから『辞めたい』と言ったのであればともかく…」(在阪記者)

こうした背景もあり、新生・藤川タイガースは波乱の船出となりそうだ。

「今季新たに国内FA権を取得した大山悠輔、坂本誠志郎、糸原健斗、原口文仁の残留交渉に、藤川監督自身が直接乗り出すことになりそうです。彼らが今季中に権利取得するのは以前から分かっていた。説得が終わっていないのはフロントの力不足。藤川監督に説得をお願いしたのは、流出の可能性が高いからで、ファン向けに体裁を繕っているのかもしれません。藤川監督は海外FA権を行使して米球界に挑戦しており、解説者として『FAは個人の権利』とも発言してきました」(同)

初仕事が過去の言動と異なる慰留交渉になるとは気の毒な限りだが、難題はこれだけではない。

球団創設90周年の重圧も

「指導者経験がないままでの監督就任です。金本知憲氏はそれで失敗しました」(ベテラン記者)

そんな心配は、こんな形でも語られている。

「松坂世代の藤川氏が監督になりましたが、若い指揮官がチームと共に成長していく図式にはならないんですよ。現チームに優勝を狙う力は備わっています。勝って当然、古参OBたちもそういう目で見ます。藤川監督は球団創設90周年のメモリアルとなる来季、絶対に優勝しなければなりません」(同)

優勝を逃してしまったら、チームの看板選手だった藤川監督であっても、ファンは許してくれないだろう。

また、阪神には監督再登板となったOBも少なくなく、吉田義男氏は3度も就任している。3度目の1997年はチーム低迷の続く暗黒時代で「優勝、日本一の経験者でなければ!」の切実な声を受けての監督復帰だった。そのためか、藤川監督で失敗すれば、岡田氏の再々登板の可能性もあるのだ。

FA慰留、OBからの厳しい目…。藤川監督にはシーズンが始まる前から「クリアしなければならない難題」が山積みなだけに心配は尽きない。

「週刊実話」11月7・14日号より一部内容を変更