警察庁は、昨今世間を騒がせている「闇バイト」による強盗事件の多発を受け、YouTubeの公式アカウントを更新したが、その内容が注目を集めている。

 アップされた動画では、警察庁の生活安全課長が次のように呼びかけている。

「自分自身や家族への脅迫が理由であっても強盗は凶悪な犯罪です。犯罪に関わってはいけません。勇気を持って抜け出し、すぐに警察に相談してください。警察は相談を受けたあなたや、あなたの家族を確実に保護します。安心して、そして勇気を持って、今すぐ引き返してください」

 強盗事件を巡っては、指示役がSNSを通じてバイトに応募した人から住所や家族構成などの個人情報を聞き出し、途中で闇バイトと気付いても家族へ危害を加えるなどと脅して強盗を強行させていたことがわかっている。

 警察庁はさらに、8月以降に相次いで発生している凶悪な強盗事件について、「手口が明らかになってきた」として、10月25日に具体的な事例や特徴を発表した。

「X等のSNS上で『高額』『即日即金』『ホワイト案件』等、『楽で、簡単、高収入』を強調する」

「シグナルやテレブラムといった匿名性の高いアプリに誘導して個人情報を送信させ、脅迫する」

 もっとも、こうした警察庁の動画に対しては、《警察が守ってあげると言ったって、せいぜい見回りの頻度を上げてくれる程度だろ》などという声が上がっているも事実だ。

「とはいえ、警察庁の発信が、今まさに闇バイトに手を染めようとしている者の目に触れる可能性もあるでしょう。容疑者の多くは20代で、気がついたら抜き差しならぬ状況に陥っていたというケースもあるはずです。警察庁のこうした動画を見ていれば、逃げ出す勇気が出ていたかもしれません」(社会部記者)

 1人の被害者も出さないために、動画が犯罪の抑止力となることを期待したい。

ケン高田

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