バルセロナは現地時間10月26日に行なわれたラ・リーガ第11節で、首位攻防戦となった2位レアル・マドリーとの伝統の一戦「エル・クラシコ」を4-0のビッグスコアで勝利し、宿敵の連続無敗記録を42で阻止して、自らが持つリーガ最多記録(43試合)を死守している。
後半に入り、ロベルト・レバンドフスキのスルーパスに抜け出しての先制弾とヘディングでの追加点、ラミン・ヤマルの鋭いシュートによるクラシコ初ゴール、そしてラフィーニャのループ弾と、次々に敵地サンチャゴ・ベルナベウで得点を重ねたバルサ。これで公式戦での大量得点(3ゴール以上)は6試合連続となった。
今季の彼らの強さを印象づけることとなったクラシコでの戦いぶりについては、世界中のメディアが注目しているが、ブラジルの総合サイト『Globo』は「マドリーを倒すための大胆さと組織力」と題した記事でバルサのプレーを検証し、バルサに大勝をもたらした幾つかのポイントを挙げている。
同メディアは、試合前の最大の関心事に「マドリーが誇るヴィニシウス・ジュニオールやキリアン・エムバペのスピードにハンジ・フリック監督率いるチームはどう対処するか」を挙げており、結果としてバルサが守備陣を下げるのではなく、相手にスペースを与えないためにラインを通常よりも上げさせ、しばしばマドリーの攻撃陣をオフサイドの罠に嵌めたことを伝え、「素晴らしい組織力」「完璧な守備」と称賛した。
また、後半の序盤に2点リードした後、フリック監督が守りに入るのではなく、マドリーが中盤のオーレリアン・チュアメニを下げてルカ・モドリッチを投入して反撃を図ったのに対抗し、フレンキー・デ・ヨング、ダニ・オルモという才能あるふたりのMFをピッチに送り込んで攻撃的な姿勢を維持し、攻め合いの中でさらに2ゴールを奪って宿敵を打ち負かしたことを高く評価している。 同メディアは、「今季のバルサはここまで素晴らしい成績を収めており、3日前の(チャンピオンズリーグ=CL)バイエルン戦で4-1、今回のマドリー戦で4-0という大勝利を経て、欧州最強チームのひとつとして確固たる地位を築いている」とその強さを強調したが、同様の見解を示したのは、宿敵マドリーの地元メディア『MARCA』紙である。
同紙は、今季のバルサの強みとして、「1950-51シーズン以来、11節終了時点でこれほど多くのゴールを挙げたことはない」と、ここまで37ゴールを挙げているチームの得点力を称賛。また、『Globo』も評価した守備についても「相手の攻撃に怯まない」と綴り、またマルク・カサド、フェルミン・ロペスら若手の好パフォーマンスもポジティブに評している。
そして、これら全てが今夏に就任したドイツ人指揮官によってもたらされたとして、「立役者はフリックだ。確かに選手たちのパフォーマンスは非常に素晴らしく、最終的に試合に勝利するのは彼らだが、このドイツ人の果たした役割は非常に大きい。彼は短期間で、見事なサッカーを展開するチームを作り上げた。就任からわずか2か月後に、チームがこのレベルに達するとは誰も予想していなかった」と絶賛した。
「バルサは今、サッカーをするための『マシン』である。プロジェクト達成の試金石となった大事な1週間で、彼らは見事な2つの勝利を挙げて、そのことを証明した。今季、バルサはすでに全てのタイトルに挑戦する資格を持っていることが明らかだ。この新たな立場をどのように受け入れていくかが、次の課題となるだろう」
主力選手から最大の力を引き出す術を見出し、チームに的確な戦術を授け、さらに若手の積極的な起用でクラブ全体の活性化も促すなど、ここまでバルサで素晴らしい働きを見せているフリック監督。就任してすぐに結果を出し、ブンデスリーガでは8連覇、CLでは全勝優勝(バルサに8-2の大勝)を果たした2019-20シーズンのような偉業を、異国の地でも果たせるかが興味深いところだ。
構成●THE DIGEST編集部
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