昨年12月に行われた現役ドラフトで中日からオリックスに移籍した鈴木博志は、移籍1年目から32試合に登板。防御率2.97、とチームに欠かせないリリーフとして活躍してみせた。今年のオリックスは昨年までのリーグ3連覇を支えた中継ぎ陣が次々と離脱したこともあり、ブルペンデーでは先発を務め、回またぎもいとわぬとあって、苦しいチーム事情の中期待に応えてくれたのは大きかった。150キロ台後半のストレートにも磨きがかかっており、パ・リーグの強力打線をねじ伏せていたのが印象的だった。
「こっち来ていろんなチャンスをいただいて、その中でそれなりに結果を出せたと思うので、やっぱすごいよかったなっていうのはあります」と今季を振り返った鈴木。力強いボールが戻ってきたことには「こっち(オリックス)に入って、また改めて教えてもらって、考え方も新しくなって、強いボールは取り戻してきてるとは思います」と、新天地で生まれ変わったことを強調していた。
来シーズンに向けては「そこ(強いボール)は全然求めていけるところですし。バッターを抑えるためにはツーシーム、カットボールというのも多くなってくるし、得意ボールの優先順位のトップの方なんで、それ以外の部分をやっていかないとなと思います。スライダー、フォークとかが自信をもって投げるボールになっていけば幅も広がりますし、中継ぎだったとしても、先発だったとしても、決めるボールになると思うので」と他の変化球も自信ある球種に加えていきたい気持ちが強いようだ。
秋季キャンプから、チームは岸田護新監督のもと生まれ変わる。「シーズン中もブルペンですごく話をしてたので。これからもしっかり話しながら、僕も思ってることもしっかり意思疎通しながらできたらな」と不安はまったくない。岸田監督の印象については「カッコいいし、爽やかですよね。兄貴的な。すごい話しやすいというか、接しやすい部分もあるのかなっていうのは。でも、そういう以外の部分で、意外に優しいんですけど。結構厳しい部分はあるのかなっていう感じもあるので。やるとこはしっかりやってっていう感じですね」と、接しやすく優しさがある反面、厳しさも持ち合わせていることも分かっているだけに、気を引き締めていきたいという。来シーズンはさらに進化することにより、いつでも「求められる場所」で投げられるように準備を進めていきたい。
文⚫︎THE DIGEST取材班
写真⚫︎野口航志