「メグロ」というブランド名のオートバイをご存知だろうか。かつて日本に存在したメーカー「目黒製作所」が、1932年にエンジンの製作を開始し、1937年に最初の「メグロ号・Z97」を発売して、当時のライダーたちに絶大な人気を誇った。
同社は1962年に川崎航空機工業から資金支援を受けて「カワサキメグロ製作所」と改称したが、64年9月に経営破綻。これにより戦前からあったオートバイメーカーは全て消滅することとなった。とはいえ、メグロは往年のライダーたちにとって依然として憧れの存在だった。
そんなメグロが「MEGURO K3」という名称で復活したのは2021年のこと。ファンが歓喜したのは当然だが、排気量が773ccということもあり、大型二輪免許がないと乗れなかった。ところがこのたび、普通二輪免許で乗れるメグロが発売されることになったのである。バイク誌ライターが語る。
「カワサキモータースジャパンから新発売されるのは、メグロブランドの復活第2弾モデル『メグロS1』です。搭載エンジンは230cc、総排気量233ccの空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブで、最高出力12.9kW(17.5ps)/7000rpm。小排気量なので維持費も安く、普通自動二輪免許で乗れるとあって、バイクファンが注目しています。空冷の単気筒は小気味よい排気音を奏でながら走るため、クラシカルな雰囲気が楽しめるところも魅力の1つです」
発売は11月下旬の予定で、予想販売価格は60万円程度と見られている。秋の行楽には間に合わないが、名車のDNAを引き継ぐバイクを駆って、冬のツーリングと洒落込むのも楽しそうだ。
(ケン高田)
*写真はイメージ