告白はどの時間帯に行なえばいいのか
まず全体的な傾向として、午前中に告白を行う人は少なく、午後や夜に告白する人が多いようです。
そして成功群の約半数が「18-23時」の夜の時間帯に告白していました。
しかし失敗群は「18-23時」には約3割程度に留まり、「12-17時」の昼間に告白することが多いことが確認されました。
実験の結果を改変。 / Credit: 栗林 (2004).
これは夜間の方が比較的時間の余裕があり、学校などの普段会う場所ではなく、雰囲気の良い場所で告白を行っている可能性があると考えられます。
この傾向は成功群と失敗群の告白を行った場所の違いでも表れています。
成功群が「自分の家」や「相手の家」で告白を行う傾向がある一方で、失敗群は学校で行う傾向があったのです。
告白を行う場所・時間帯は、日常的に会わない雰囲気の良い場所で、「18-23時」の夜の時間が良いと言えるでしょう。
では告白の際に相手に何を伝えれば、成功率が高くなるのでしょうか。
成功群は相手に「好意」を伝えるだけでなく、「付き合ってください」のように「交際の希望」を伝える傾向が高く、失敗群は相手に「好意」のみを伝えて終わってしまう傾向がありました。
実験の結果を改変。 / Credit:: 栗林 (2004).
おそらく相手から「好意」のみを伝えられても、具体的に何を望んでいるのかが明確に伝わらず、告白成功率が下がってしまうのものと考えられます。
告白する時には、「好意」と「交際の希望」を一緒に相手に伝える方法が一番良いと言えるでしょう。
この調査は高校生と大学生を対象にしたもので、授業や講義、部活などの相手と共に過ごす時間が比較的多い学生に見られた傾向である点には注意は必要です。
現在ではTinderやペアーズなどのマッチングアプリなど、物理的に離れた相手との連絡を取り、親密な関係を築くことが可能になっています。
しかし職場など会う人に関しては、普段共有する時間が長いなど、調査対象となった高校生と大学生との共通要素も多いはずです。
次に告白する際には、告白までのタイミングや相手との関係性、伝える内容など参考にしてみてはいかがでしょうか。
元論文
Factors influencing success and failure of confessing one’s love
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390009224855182720
Men say “I love you” before women do: Robust across several countries
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/02654075221075264
The Friends-to-Lovers Pathway to Romance: Prevalent, Preferred, and Overlooked by Science
https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/19485506211026992
ライター
AK: 大阪府生まれ。大学院では実験心理学を専攻し、錯視の研究をしていました。海外の心理学・脳科学の論文を読むのが好きで、本サイトでは心理学の記事を投稿していきます。
編集者
海沼 賢: ナゾロジーのディレクションを担当。大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。