蝶野正洋(C)週刊実話Web
このところ“ルール違反”に関して、考えさせられる事案が立て続けに起きている。
まず女性ジョッキーの藤田菜七子さんが電撃的な引退をしたんだけど、その経緯が少し複雑なんだよ。
藤田さんが過去に調整ルームにスマートフォン(以下スマホ)を持ち込み、外部の人間とやり取りをしていたことを『週刊文春』が報じた。
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これがきっかけで、JRAが藤田さんを騎乗停止処分にしたところ、彼女から引退届が提出されたという。
藤田さんは過去に調整ルームでスマホを使っていたことを自己申告し、厳重注意を受けていたみたいなんだが、JRA側はそれに「虚偽内容があった」という理由でまたしても処分を下した。
それで自主的に引退するというのは、なんだか後味が悪い。
ある競技の選手から聞いたんだけど、公営ギャンブルではスマホのような通信機器の扱いは特に厳重になっていて、宿舎に入る前日から一切触れないらしい。
外部とも接触できないから「地方に遠征してもほとんど楽しんだことがない」とも言っていた。
現代の若者は、スマホでコミュニケーションを取るのが当たり前。誰とも連絡が取れない状況が続くのは、かなりキツいのかもしれないね。
今回のケースで問題なのは、ルールはあるけどそれがどのようにチェックされていて、破ったらどういう処分が下るのか曖昧だったこと。これでこの問題が終わったわけではなく、JRAは経緯を精査して、今後このようなトラブルがあったらどうするかしっかり決めるべきだね。
コンプラ違反芸人だけを集め全国ツアーを
お笑いトリオ『ジャングルポケット』元メンバーの斉藤慎二さんが、テレビ番組の収録中にロケバス車内で女性タレントに不同意性交を行ったことで書類送検され、さらに所属していた吉本興業を契約解除になった。
斉藤さんは事情聴取で不同意ではないと説明したようだけど、その結果を待たずにクビになるのが今の時代だよ。
まぁ、彼もちょっと調子に乗っていた部分はあるのかもしれないね。
やっぱり芸人として人気者になればチヤホヤされるから、女性の扱いが雑になってたんじゃないかな。
それに、番組収録中のロケバス内で性行為を行ったというのも印象が悪い。
前に多目的トイレでやらかした芸人がいたけど、特徴的な場所で事件を起こすと、いつまでもそれが見出しになってしまう。
下積み時代は貧乏だったという芸人は多いけど、その頃はホテル代も払えなくて、どんな場所でも行為をしていて、そのクセが抜けきってなかったりするのかもね。
あと、芸能界は一般社会からはみ出した感覚の人たちが多い。
時代はどんどん変わってるのに、古い意識のまま取り残されてしまってるんだろうね。
最近は不倫などの男女トラブルや、コンプライアンス違反でテレビに出られなくなった芸人も多い。
これだけいるなら、やらかした芸人だけを集めたグループをつくって、全国ツアーでもすればいいんじゃないかな。
今なら豪華メンバーが集まるし、そこでテレビじゃできないようなネタや、放送禁止用語ばかりのトークショーをやればいい。
お笑い芸人は最終的にお客さんを笑わせればいいんだから、その原点に立ち戻って活動してもらいたいね。
「週刊実話」11月7・14日号より
蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。