野性爆弾くっきー!や見取り図リリーも来場! グランフロント大阪北館1階がアート一色に!『OSAKA ART MARKET2024』開催!

「熱を視覚的に再認識できる装置と捉えてもらえたら」

「熱を視覚的に感じられる塊」を創作しているのは、古家達成。“熱(エネルギー)”を土や大地に見立てて、木や紙の素材を用いて視覚的に表現し、“熱”を再認識できる装置を生み出し続けているといいます。その装置の形は、平面のものから立体のものまでさまざま。「生命活動の中で熱は不可欠ですが、視覚的に捉えるのは難しい。この塊は、熱を視覚的に再認識できる装置と捉えてもらえたら」と説明します。「直接的に見せることが難しいので、土っぽさやバーナーで炙った焦げ跡で熱を感じてもらいたいです」。変わった形の立体作品もひときわ目を引いていました。「形的なモチーフはソフビと遺跡のかけ合わせ。コンセプトは、頭の中のイメージの欠落です。誰かを思い浮かべたとき、少しだけ欠けていたり不完全だったりすると思うんですけど、それを発掘した塊という感じです」と語りました。

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下描きをしない一発描きへのこだわり

久保沙絵子は、線画で多くの来場者を魅了していました。風景を描いた緻密な線画はフリーハンドで、下描きをしない一発描きというから驚かされます。なぜ一発描きにこだわるのか、理由をこう語ります。「フリーハンドでどれだけまっすぐ線を描けるかを試みている瞬間がすごく好きなんです。ジリジリ、ゆっくり描くのですが、なかなか思うようにいかなくて、揺れたりするのがおもしろいなと思っています」。

今回の作品群は、道頓堀や天神橋筋商店街、梅田連結デッキからの風景画など、関西の人なら親しみのあるものを抜粋して展示。「大阪での開催ということで、皆様がよくご存知であろう風景を持ってきました」。天神橋筋商店街の風景画を描いているときは、ずっと同じ場所に立って描いていると近くの店の方が「どう? できた?」と話しかけてくれ、イカ焼きを差し入れてくれたそう。街の風景でありながら、そこに暮らす人々の温度や暮らし、そしてそのときに感じた久保の情感をもペンに乗せて描いているのだといいます。