野性爆弾くっきー!や見取り図リリーも来場! グランフロント大阪北館1階がアート一色に!『OSAKA ART MARKET2024』開催!

ドラムのリズムに乗って「飛べ!」

中央に設けられた特設ステージでは、2日間にわたってライブドローイングやアートにまつわるトークセッションが行われました。

26日(土)は、2つのイベントが行われました。MCを務めるのは、浅越ゴエ(ザ・プラン9)とFM802のDJ、高樹リサです。13:00からは、イラストレーター・グラフィックデザイナーとして国内外で活躍し続ける黒田征太郎と、Tik Tokで100万人超のフォロワーがいるバケツドラマーのshiutaによるアートセッション。大阪・アメリカ村の象徴ともいえるモニュメント『PEACE ON EARTH』をはじめ、世界各国でライブペインティングや壁画制作を行なってきた黒田は、85歳になった今も大阪、そして日本のアート界を牽引し続ける存在。shiutaは、衣装や楽器であるバケツに自らペインティングする画家の顔も持っています。

「何の打ち合わせもしていない」という黒田は「絵は大自然が人間に教えてくれたもの。音楽も風の音から生まれたんだと思う。もう1回そこに帰りましょう!」と呼びかけ、shiutaの演奏が始まると、絵の具をつけた手のひらをキャンバスに叩きつけます。リズムと呼応するかのように、次々と重ねられていく新たな色、線、形──真っ白だった面に、次々と命が吹き込まれていきました。

時折、作品や黒田の動きに目をやりながら、リズムや音色を変化させていくshiuta。足で器用にバケツを移動させ、作品の間近で演奏し始めるなど、2つのアートが呼応していくさまは圧巻! 約30分のセッションを終え絵が完成すると、黒田とshiutaはガッチリと握手を交わしました。

描かれた鳥たちに「飛べ!」というメッセージを込めたという黒田。「せっかく生まれてきたんやから、飛ばなあかんという気持ちを込めた。生まれて来たことを楽しんでいくしかない」という熱い言葉に拍手が起こります。shiutaが、家に引きこもっていた10代の頃、父に連れられ黒田をはじめとするさまざまなアーティストの作品展を見に行ったことが、自身も絵を描くきっかけになったと明かすと、「それで今日があったんやね。うれしいね」と黒田。その後も楽しいトークは止まらず、大盛り上がりのひとときとなりました。

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トークの締めくくりは個性爆発の似顔絵

26日(土)15:00からは、くっきー!(野性爆弾)と石塚大介(アーテイスト/ギャグ漫画家)によるトークショーが開かれました。お笑いコンビ、野性爆弾でネタ作りからコントの小道具、似顔絵などすべてを手掛けるくっきー!は、アーティストとしても高い評価を受けています。一方の石塚は、現代アートに取り組むかたわら、インスタグラムで約15万人のフォロワーを持つギャグ漫画家としても活躍中。実はくっきー!が「一番大好きな芸人さん」だそうで、少し緊張している様子の石塚。くっきー!も石塚の作品について「すごいのよ!」と手放しで称賛しており、まさに相思相愛の関係です。

石塚が今回、展示している作品は「自分の人生を反映している。野球をやっていたので、その当時思ったことなど感じたことを投影している」とのこと。当初はギャグ漫画家を目指し、大阪芸術大学キャラクター造形学科に学びましたが、30歳の時に北極へ行ったことが転機に。「その地平を見ているうちに、もっと大きなものをやってみたくなった」と振り返ります。現在、インスタグラムに掲載している『がんばれ!田中みのるくん』というあるある作品も好評で、「インスタではバズるように変な漫画を描き、アートは真面目にやっている感じ」と自身のスタンスを説明しました。

くっきー!のアートの出発点は、なんと『キン肉マン』。兄と『キン肉マン』の絵を描いて遊んでいましたが、兄が上手すぎて勝てなかったため、あえて“いびつなキン肉マン”を描くようになったのだとか。そこから、現在につながる独特のセンスやタッチが生まれたようです。

ほかにも、海外の方から作品の意図について質問された時の答え方や、スランプの有無など、さまざまなテーマでトークを展開。観覧者からの質問コーナーを挟みつつ、最後は即興で似顔絵も。 くっきー!は高樹、石塚はゴエを、3分程度でさらさらと描いていきます。出来上がった作品は、どちらも個性が爆発! ゴエは「こわっ! 目が血走ってる! でも僕ですね……!」と感心。高樹さんはくっきー!流にアレンジされた自分の顔に思わず爆笑し、「こんなに刈り上がってたんですね」とうれしそうに眺めていました。