現地10月28日に開幕した男子テニスツアー「ロレックス・パリ・マスターズ」(フランス・パリ/室内ハードコート/ATP1000)に出場する元世界ランク6位のマテオ・ベレッティーニ(イタリア/現36位)が、イギリスメディア『Sky Sports』のインタビューに回答。昨年12月に自身のコーチに就任したフランシスコ・ロイグ氏(スペイン/元60位/56歳)との契約を1年足らずで解消したことについて言及し、「簡単な決断ではなかった」と明かした。
今年3月に足首のケガから約半年ぶりの実戦復帰を果たした28歳のベレッティーニは、離脱中だった昨年12月に約13年間師事したヴィンツェンツォ・サントパドレ氏(イタリア/元100位/53歳)とのコーチ契約を解消。直後には、同時期にラファエル・ナダル(スペイン/元1位)と離別した名将ロイグ氏を招聘していた。
復帰後は7月の「EFGスイス・オープン・グシュタード」(スイス・グシュタード/クレー/ATP250)と「ジェネラリー・オープン」(オーストリア・キッツビュール/クレー/ATP250)での2週連続優勝を含むツアー3勝を挙げ、一時は120位台だったランキングも36位に戻しているベレッティーニ。「パリ・マスターズ」開幕直前に自身のSNSで発表したロイグ氏との契約終了について、詳細をこう説明している。
「彼との離別は簡単な決断ではなかったが、双方の合意によるものだった。彼は復帰ロードにおいて僕を大いに助けてくれたし、成長するのを助けてくれた。だが我々がいくつかの点で違う見解を持っていたのは事実だ。
契約解消は完全にプロ選手としての決断だった。彼が僕のためにしてくれたこと全てに本当に感謝している。我々は成功に満ちた一年を過ごすことができた。新たな章へのページをめくる時が来た。これからの未来に最高の結果が待っていることを願っている」
続けて理想の形でカムバックできたのは、セカンドコーチとして自身を見守ってくれているアレッサンドロ・ベガ氏(イタリア/元259位/33歳)の存在も大きいと強調。感謝の言葉を口にするとともに、来シーズンへの展望を簡潔に語った。
「ベガ氏がこの1年間、僕と一緒にしてくれた仕事に対して称えなければならない。彼がいなかったら、おそらく僕は目の前に立ちはだかった困難な瞬間を全て乗り越えることはできなかっただろう。
そんな中での今の考えは、再び(ロイグ氏に代わって)我々を助けてくれる人物を見つけることだ。我々は今シーズンの終わりに話し合い、2025年に向けて我々が選ぶべき最良の道が何なのかを研究し、それを理解しようと努めるつもりだ」
なお「パリ・マスターズ」にノーシードで出場するベレッティーニは現地29日に行なわれる1回戦で世界24位のアレクセイ・ポピリン(オーストラリア)と対戦する。新たな一歩を踏み出す今大会でどんなプレーを見せてくれるのか注目しよう。
文●中村光佑
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