11シーズンのNBAキャリアで計4回のリーグ優勝を経験したジョン・サリー(元デトロイト・ピストンズほか)は、現役ラストイヤーにロサンゼルス・レイカーズでコビー・ブライアントとプレーした。
1986年のドラフト全体11位でピストンズ入りしたサリーは、“バッドボーイズ”の一員として89、90年の連覇を経験。その後、マイアミ・ヒート、トロント・ラプターズを経て、1995-96シーズンにシカゴ・ブルズ、1999-2000シーズンにレイカーズで再び頂点に立った。
現役ラストイヤーに在籍したレイカーズには、若き日のコビーや、怪物センターのシャキール・オニール、シューターのグレン・ライス、名脇役のロン・ハーパー、ロバート・オリーらがいた。ギリシャリーグなどを経て3シーズンぶりにNBAに復帰したサリーは、当時4年目を迎えた21歳のコビーと良好な関係を築いていたという。
レイカーズOBであるバイロン・スコットがホストを務めるポッドキャスト『Byron Scott’s Fast Break』で、サリーはのちに歴代4位の通算3万3643得点を記録して殿堂入りを果たす英雄との思い出を回想している。
「毎日、1対1をやった。1日も欠かしたことはない。練習では必ず1対1で対戦したよ。コビーは縁起を担ぐタイプだと言われていたし、誰よりも長くジムにいた。私も行く場所(所属先)がなかったなかで、3年の月日を経て、(NBAの)コートに戻れて嬉しかった」
サリーはキャリア平均7.0点、4.5リバウンド、1.2アシスト、得点のシーズンベストは9.5点という数字が示す通り、決して個人技を得意とする選手ではなく、いわゆるブルーワーカーだった。それでも、コビーとの1対1には全力で臨んだと明かす。
「毎日、彼を倒すと言っていたし、周囲は私がホラ吹きだと思っていた。5対5のゲームでは、私はボールを持ってもジャンプシュートを打たないからね。でも、本気で彼を打ち負かそうとした。私も負けたくないからね」
サリーによれば、コビーは公の場で、1対1に負けたことを認めていたという。
「一緒に(テレビ番組の)『The Best Damn Sports Show』に出た時、私は『コビーとは毎日1対1をしていた』と話した。どちらが勝ったかって聞かれたら、彼(コビー)は首を横に振って、『彼(サリー)に負けた』って言うんだ。『本当の話か?』って雰囲気になったよね。でも、『彼は7フィート(身長213cm)あるんだ。決して勝たせてくれない』と言っていた」
GOAT(史上最高の選手)に挙げられるマイケル・ジョーダン、コビーの2人と共闘経験を持つ数少ない選手のサリーだが、コビーとは引退後も付き合いが続くほど深い絆で結ばれていたようだ。
構成●ダンクシュート編集部
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