「全盛期を迎えていた時、本物の王朝と戦ったんだ」ハーデンが同期カリーとの激闘を回想「スペシャルな経験だった」<DUNKSHOOT>

 現地時間10月27日(日本時間28日)、ロサンゼルス・クリッパーズが敵地チェイス・センターでゴールデンステイト・ウォリアーズに112-104で勝利し、開幕2連勝中の相手に今季初黒星(2勝1敗)をつけた。

 開幕からエースのカワイ・レナードを右ヒザ炎症のため欠いているクリッパーズだが、ジェームズ・ハーデンの周囲にスコアラーのノーマン・パウエル、ペリメーターディフェンダーのデリック・ジョーンズJr.とテレンス・マン、センターのイビツァ・ズバッツを配置した布陣で2勝1敗を記録。

 この試合ではウォリアーズをフィールドゴール成功率43.2%(38/88)、3ポイント成功率32.6%(14/43)に封じ込め、21本のターンオーバーを誘発。攻めてはペイントエリアの得点で58-38と圧倒した。

 クリッパーズではハーデンが23得点、7リバウンド、11アシスト、開幕から絶好調のズバッツが23得点、18リバウンド、6アシスト、2スティール、パウエルが20得点、ジョーンズJr.が18得点、4リバウンド、2スティールと続いた。

 一方のウォリアーズはアンドリュー・ウィギンズがゲームハイの29得点、ステフィン・カリーが18得点、4リバウンド、6アシスト、2スティール、ジョナサン・クミンガが12得点、5リバウンド、3スティール、ケボン・ルーニーが10得点、11リバウンド、3アシスト、3スティールを記録。

 ウォリアーズはカリーが第3クォーター途中に左足首を捻ってベンチへ下がり、第4クォーターにコートへ戻るも再び同箇所を捻ったことでロッカールームへ。MRI検査の結果、構造的な損傷は見られなかったものの、左腓骨筋の筋損傷であることが発覚し、最低でも2試合を欠場することが決まった。
  ハーデンはヒューストン・ロケッツ在籍時のプレーオフでカリー率いるウォリアーズと4度対戦。2015、18年はカンファレンス決勝、16年は1回戦、19年はカンファレンス準決勝で激突し、18年は先に王手をかけたが、すべてのシリーズでウォリアーズに軍配が上がった。

 試合後、2009年のドラフト同期のカリーとの戦いについて次のように語った。

「あっという間だった。ロケッツで全盛時を迎えていた時、本物の王朝と戦ったんだ。いつか思い返すくらい特別なことだった。ただ、今は振り返ったりはしない。(優勝に向けて)トライしている最中だからね。だけど、本物の王朝と対峙したことはスペシャルな経験だった。彼(カリー)がキャリアの中で成し遂げてきたことは誇らしいし、喜ばしいものだ。俺たちがお互いに年をとって引退した時、話し合えることのひとつだね」

 2019年プレーオフの対戦から早5年、カリーはチームこそ変わっていないが、同年のオフにケビン・デュラント(現フェニックス・サンズ)が退団、さらに今夏には相棒クレイ・トンプソンがダラス・マーベリックスへ移籍し“スプラッシュ・ブラザーズ”が解散。一方のハーデンは2021年を皮切りに3度のトレードを経験し、1シーズンごとに所属チームを変えてきた。

 周囲を取り巻く環境は大きく変わったが、依然として両者はリーグ屈指の実力を有している。2009年ドラフトの出世頭は、今後も好敵手としてコート上で火花を散らしてファンを楽しませてくれそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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