注文が煩雑という弱点をデジタルで解消
サブウェイの最大の弱点と言えるのが、オーダーの複雑さだ。
ベースとなるサンドイッチ、パンの種類、トッピング、野菜とアクセント野菜、ドレッシングソースをそれぞれ選ぶという煩雑なもの。初めての利用者は戸惑うことが多い。
「おすすめでお願いします」と注文すればいいのだが、それすらわからない人もいるだろう。
しかし、サブウェイはこの弱点をすでに克服している。
それが「ダイニー for サブウェイ」だ。商品をスマートフォンで事前に注文し、決済することができるというもの。スタートアップの株式会社diniiと共同で開発し、2019年6月にテスト導入した。
オーダーしやすくなることで顧客の2度目の利用率が上がれば、認知度を高めるためのプロモーションに力を入れやすくなる。サブウェイはその下地がちょうど整っていたのだ。
もし、「から揚げの天才」のFCオーナーとなった人が廃業を検討しているのであれば、サブウェイに鞍替えする提案もできるはずだ。
「から揚げの天才」は省スペースで店を開けることをセールスポイントとしており、10坪で出店できるモデルも開発していた。大型の調理器具が必要ないサブウェイは、15坪から出店できる。フードコートであれば10坪でも可能である。
こうして見ると、ワタミがサブウェイを取得できたのは絶好のタイミングだ。ファストフード業界を脅かす存在となるかもしれない。
取材・文/不破聡 サムネイル/Shutterstock