最もコントがおもしろい芸人を決める「キングオブコント2024」(TBS系)が10月12日に開催され、ラブレターズが17代目王者に輝いた。1本目から点差が開かない接戦を制しての見事な優勝。華々しくトロ...

夢を見続けるのは「いばらの道」か



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 そもそも下積みを長く積んだ芸人にとって、「芸人を辞める」という決断はとてもつらい。

 夢を諦めることに対する拒否感はもちろんあるが、「人前でネタをやってウケる」という現象が非常に中毒性が高いからだ。日常生活であの幸福感は味わえない。それを長年経験してしまうと、社会復帰が遅れてしまう。

 だからこそ、お笑いを辞めたくないから、辞めなくていい理由やモチベーションを探しながら芸人生活を続けている。その辞めなくていい理由に「ラブレターズの優勝」が関わってきてしまうのだ。

 賞レースは芸人たちに夢を与える存在である。しかし、その夢を与えた結果、またいばらの道を歩かされる芸人もいるのは事実だ。

 それでも、僕は夢がある人生は不幸ではないと思う。何かをきっかけに、自分がずっと憧れていた場所に手が届く瞬間を夢見て努力することは、正直何ものにも代えがたいくらい楽しいからだ。

 だからこそ言う。「ラブレターズの優勝は、僕たちオジサン芸人に夢を与える素晴らしいものでした」。

(帽子田/芸人、ライター)