「登場からソシエダは雰囲気が一変」オサスナ戦で好機量産の久保建英に現地メディアは最高評価も! 地元紙は「別次元のプレー」を見せる彼の後半起用に苦言

 現地時間10月27日に行なわれたラ・リーガ第11節、レアル・ソシエダはオサスナとの「バスク・ダービー」を0-2で落として今季5敗目を喫し、連続無敗は4試合でストップしている。

【動画】オサスナ戦で久保建英が後半から登場!好パフォーマンスを披露 ここまでわずか1勝しか挙げられていない本拠地レアレ・アレナでの一戦は、前半のうちに2点のリードを許すという苦しい展開となり、後半は開始からピッチに登場した久保建英が積極的な仕掛けや的確なパス、そしてフィニッシュなどで幾度もチャンスを創出したが、敵陣ゴールネットを揺らすまでには至らず、今季3度目の完封負けとなった。

 久保は45分間(+アディショナルタイム)で、ボールタッチ48回、シュート3回(枠内2回)、パス30回(成功21回)、キーパス4回(チーム最多タイ)、ドリブル1回(成功)というスタッツを記録しており、ここからも多くのプレーに関与したことが分かるだろう(データ専門サイト『WhoScored.com』より)。

 現地メディアの報道では、マドリードのスポーツ紙『MARCA』が「久保はハーフタイム明けにオリ・オスカルソンと代わってピッチに登場し、後半開始から40秒で相手GKセルヒオ・エレーラに好守に阻まれるシュートを放ち、その後もマルティン・スビメンディに好クロスを送った」と綴り、他にも絶妙なシュートがあったことを伝えて、3点満点の採点ではチーム最高の「2」を与えた。

 また同メディアのライブ実況の記事では、「久保がピッチに入るなり積極的なプレー」「久保が入ったことでソシエダは雰囲気が一変し、明確に攻撃の形を作り始めた」「右サイドから何度も仕掛ける久保。ソシエダはどこから危険を生み出せるかを完全に理解している」「久保のゴール隅を狙った素晴らしいカーブショット」と、たびたび日本人選手の好パフォーマンスに言及している。

 一方の『as』紙も、「ソシエダは後半の立ち上がりから良くなり、ボールの支配力が増し、特に攻撃面で大きな脅威を生み出した。久保投入が効果を発揮している」と背番号14の起用が試合の流れを変えたことを強調し、こちらも「2」の高採点を付与。別の記事でも「久保が試合を活性化させるために登場し、序盤はこれが成功した」と報じたが、「今季のソシエダにありがちな問題である決定力不足が再び露呈した」とも付け加えている。
  バルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』は、後半のみ出場の久保をソシエダの「ベストプレーヤー」に選定し、個別評価の記事では彼のプレーを「革命的」と表現し、寸評では「後半に投入され、最初にボールに触れた場面でカウンターを仕掛け、シュートを放った。これは別次元のプレーだった」と称賛し、さらに以下のように続けた。
 「久保はソシエダに変化をもたらし、全ての危険な場面に関与。ブライス・メンデスが素早く出したFKから素晴らしいゴールを決めかけたが、エレーラの見事なセーブに阻まれた。相手にとっては捕まえられず、止められない存在だったが、それでも結果には結びつかなかった」

 日刊紙『El Pais』も、久保についてはポジティブな記述に終始し、「チームの流れを変え、後半の序盤で幾つか相手にとっては危険な場面を創出。ソシエダはここで早くも、前半の45分間よりも多くの決定機を迎えた」「彼の登場でホームチームは一気に活気づいたが、それでもこの試合のヒーローであるエレーラの反射神経を超越することはできなかった」と綴っている。

 ソシエダの地元バスクの日刊紙『noticias de Gipuzkoa』は、このダービーを「失点後にソシエダは非常に迷いの多い状態に陥り、その状態はハーフタイムまで続いた。しかし、久保とアンデル・バレネチェアが両サイドで脅威を倍増させると、イマノル・アルグアシル監督率いるチームは後半をはるかに良い形でスタートし、日本人選手が追撃のゴールに結びつきそうなチャンスを創出。しかし、エレーラの好守と時間の経過によりホームチームの勢いは次第に落ちていった」と伝えた。

 個別評価の記事では、「このチームで久保がスタメンでないなら、もうお手上げだ。唯一均衡を崩せる存在で、挑戦をやめず、責任を背負える選手だ。出場からわずか5分で、前半の他の選手たち以上のことを成し遂げた。ただ彼には、クロスの精度、オサスナのアンテ・ブディミルのようなエリア内でパスを待つストライカーの存在、そしてシュートの正確さが不足していた」として、「最優秀選手」に久保の名を挙げた。

 また同メディアは、別の記事でも彼をベンチスタートとした指揮官の判断には「理解しがたい」「奇妙だ」と苦言を呈し、「わずか15分で日本人選手は5回の得点機を生み出した。議論や無駄話は終わりだ。得点力のないチームで、久保がリーガで2戦続けて控えに回るのは問題である。確かに、彼は時折個人プレーに走りがちで、判断が悪い場面もあるが、それでも依然として別次元のプレーを見せている」と訴えている。

構成●THE DIGEST編集部
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