F1第20戦のメキシコ・グランプリは10月27日に決勝が行なわれ、ビザ・キャップアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は、スタート直後にアレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)と接触し、今季4度目のリタイアを喫している。
【画像】世界を舞台に活躍する日本人F1ドライバー、角田裕毅のオフの表情! 前日の予選ではQ2のラストアタックでスピンを喫して悔いを残すも、11番グリッドということで入賞の期待は残していたものの、ストレートエンドでの競り合いの中、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)を避けようと左に寄ったアルボンの左フロントタイヤと、アウトから前に出ようとしていた角田の右リアタイヤが接触し、「VCARB01」はスピンしながらコースアウトしてクラッシュしてしまった。
ハンガリーGP以来7戦ぶりの入賞を逃した角田は、「(リタイアの場面は)十分なスペースがありませんでした。あれはレースインシデントであり、非常に難しい状況でした。もし本来のペースで予選(Q2)を通過していたら、あのポジションにはいなかったでしょう。チームには本当に申し訳なく思っています。彼らは昨日から全ての準備を見事にやってくれました。ブラジルでお返ししたいです」とのコメントを、チームの公式サイトを通して発している。
またF1公式サイト『F1.com』のインタビューでは、「メキシコではいつもこうです。過去2シーズンも何かが起こり(いずれも他車と接触)、今回は1コーナーで終わってしまいました。メカニックたちが素晴らしい仕事をしてくれたのに、(スタートから)数秒でレースが終わり、昨日の(クラッシュの)挽回が出来ずに終わったことが申し訳なく、言うことがありません」と、こちらでもチームへの謝意を示した。
RBは、リアム・ローソンも16位に終わってノーポイントに終わり、ダブル入賞のハースに点差を10に広げられたこともあり、SNSで「望んでいた週末ではなかった」と失望を表わし、チーム代表のローラン・メキーズは「昨日はユウキのクラッシュが大きな代償を伴い、ドミノ効果でリアムもQ3に進出できなかったが、これがモーターレーシングだ。そこからこの週末の状況は悪化し、レースではスタートでユウキが押し出され、不運な犠牲者となった。これは中団では起こり得るような事故だ」と振り返っている。
各国専門メディアの報道を見ると、オランダのF1専門サイト『RN365』が「忘れたいメキシコシティでの週末、角田は24時間で2回目のクラッシュに巻き込まれた」、イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は「日本人ドライバーはスタート直後の接触に巻き込まれた。ユウキは最悪の結果を招いてしまい、これでファエンツァのメカニックたちの努力は無駄になってしまった」と、それぞれ伝えた。
英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、「メキシコGPでの勝者と敗者」と題した記事で「敗者」に選定したローソンに言及する中で、「ハースが好成績を収めている中で、RBはローソンが生産的でないレースをしてはならなかったし、角田がクラッシュで自身とチームメイトの予選を台無しにし、決勝の1周目に壁に激突する必要もなかった。特に、フリー走行で車がかなり速く見えたことを考えると……」と綴っている。
そして、同国のF1専門サイト『F1 OVERSTEER』は、元ドライバーのマーティン・ブランドルがコメンテーターを務めるスポーツ専門チャンネル『Sky Sports』で「ガスリーがアルボンを押し込んでいた。ユウキは、ここでは何も悪いことはしていないと思う」との見解を示したことを紹介するとともに、角田について「不運なドライバー」と表現した。
同メディアは、角田にとってメキシコGPが「力強さを示す必要があった週末」だったと指摘。また彼の去就にも触れ、「来季のレッドブルのドライバー候補は、メキシコでは3回のフリー走行で驚異的な速さを見せたが、予選では自身とローソンのQ3進出のチャンスを台無しにしてしまった。角田は、昇格のために今季のレースでローソンとセルジオ・ペレスの両方を上回る必要があることを知っているが、残念ながら、今回の彼のコントロールを超えた大きなクラッシュは、彼にとって何の助けにもならないだろう」と指摘している。
構成●THE DIGEST編集部
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