落語家・桂小文枝の芸歴55周年を記念した落語会「桂小文枝 芸歴55周年記念大作戦 YOUNG GO!GO!」が、10月26日(土)に大阪・天満天神繁昌亭で開催されました。「55周年」という記念すべき1年に、さまざまな企画を考えているという小文枝。その“前夜祭”の位置づけとなる今回は、ゲストとして笑福亭鶴瓶や間寛平らが登場し、落語はもちろん、トークでも盛り上がりました。
出典: FANY マガジン
元阪神の関本賢太郎が登場!!
開演すると、小文枝の55年の落語家人生を凝縮した映像でスタート。これまでの軌跡を追うドキュメンタリー番組のような編集で、小文枝の熱い思いが伝わってきます。
そして明石家さんまや大平サブロー、中川家ら錚々たる顔ぶれからの笑いたっぷりのお祝いのメッセージも流れ、小文枝の幅広い交友関係を垣間見ることができました。
きん枝時代の懐かしい音声が流れるなか、小文枝が登場。赤と白のボーダーにオーバーオール、キャップというテレビ番組「プロポーズ大作戦」の衣装に身を包み、今回の公演が決定したいきさつなどを明かします。55周年という記念の1年、さまざまな企画を考えているという小文枝は、「今日は“前夜祭”のような感じで、最後まで皆さまに楽しんでもらえたら」と話しました。
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まずは小文枝の兄弟子である六代 桂文枝の弟子、桂健枝郎が落語を披露。兄弟子のエピソードを編んだマクラで会場を温め、「二人癖」を口演しました。「つまらん」「一杯のめる」という各々の口癖を言わせようとする男たちの心理戦を、軽快な語り口でテンポよく描きました。
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続いては1人目のシークレットゲストが登場。現れたのは元阪神タイガースの関本賢太郎さんです。小文枝は関本さんからプレゼントしてもらったという阪神タイガースのユニフォームを羽織ります。
小文枝が「あなたに1つだけ聞きたいことがある」と、球場で目撃したという現役時代の関本のあるシーンについてたずねると、関本さんが語った真相に小文枝は目を丸くし、その後の数々のエピソードも真剣な眼差しで聞き入りました。
中トリを務めたのは笑福亭鶴瓶です。マクラでは全国各地の落語会などで鶴瓶が目撃した驚きかつ奇跡的なエピソードで笑いを誘います。また、怖い存在として知られる鶴瓶の師匠、笑福亭松鶴の話でも引き込み、小文枝は松鶴にもかわいがられていたと紹介しました。
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ネタはそんな松鶴を題材にした私落語(わたくしらくご)の「かんしゃく」です。松鶴が目の前に生き生きと立ち上がるような臨場感は、近くで松鶴を見続けてきた鶴瓶だからこそ。師匠への愛情が詰まった一席で聞かせました。
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緻密な情景描写で客席を魅了
中入り後は小文枝が「この人とずっと一緒にいた」と紹介した、2人目のシークレットゲスト・間寛平が登場。トークが始まり、若手時代の豪快な思い出話で盛り上がります。今年65周年を迎えた吉本新喜劇にも触れ、寛平は入団当時の失敗談を身振り手振りで披露しました。
半世紀以上の付き合いだけに話題は尽きません。ライブだからこそ話せるぶっちゃけトークが次々と飛び出すなか、楽屋にお祝いに駆けつけていた中田ボタンが、飛び入り参加して会場を沸かせる一幕も。再び鶴瓶も登場して加わり、55周年に相応しい華やかなトークショーになりました。
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続いて小文枝の一番弟子の桂きん太郎が、トレードマークでもあるジャージ風の白線が入ったピンクの着物で登場。マクラもそこそこに、桂三枝作の創作落語「くもんもん式学習塾」を披露します。任侠の世界を面白おかしく描写するきん太郎は、個性的な登場人物を鮮やかに演じました。
大トリはもちろん小文枝。深々と頭を下げ、「上方落語には珍しい秋の噺を」と「まめだ」を披露。大阪・ミナミを舞台に、膏薬屋の息子で歌舞伎役者の右三郎が主人公の物語です。小文枝は、風に吹かれる葉の音まで聞こえてくるような緻密な描写で客席を魅了しました。
出典: FANY マガジン
終演後はお見送りをして、ファンへ感謝を伝える小文枝。芸能生活55周年を記念した企画は今後、随時発表される予定です。