河合奈保子(C)週刊実話Web

80年代は女性アイドルに、清楚さ、可憐さを求めた時代だったが、それらに加えて清純さとおっとりとした母性も備えていたのが、河合奈保子だった。

ただ、当時は彼女にとんでもないファンレターを送りつける輩もいて…。

【昭和56年12月10日号掲載『モーレツファンレターの中身』年齢・肩書等は当時のまま(一部割愛や表現を訂正した箇所があります)】

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NHKホールで『レッツゴーヤング』のリハーサル中、舞台左手前方の小ゼリに転落、第一腰椎(つい)圧迫骨折で入院加療していた奈保子が退院、いま山梨県・下部温泉でリハビリ中。十二月中旬にはカムバックの予定。

奈保子、十八歲。色が一段と白くなり、少しほおのふくらみが落ちたような印象。入院中、温かい激励のファンレターやラブコールが二万通。その中から、モーレツなラブコールを…。

「オレの奈保子、退院する日を待っているぞ。オレな、心配で心配で入院先の渋谷病院に行ったんだ。でもよう、中へ入れなかった。ガードマンがどうしても入れてくれなかったんだ。オレ、福島県からわざわざ行ったんだけど、やっぱり、ガードが固いなあ。オレ、前にも奈保子に手紙出してるけど、一ぺんも返事をくれない。そりゃあ、いっぱい行くだろうから、いちいち返事を書けないことは分かる。でも、オレの場合は別だ。奈保子、オレは誰よりもキミを愛しているんだ」

「たっぷりかわいがってやっから」

思いを寄せる男性ファンの文面は、この後も過熱するばかり。

「返事くらい書けよ。な、奈保子って、オレ好みなんだよなあ。オレは、いつも、奈保子のことを考えてるんだ。仕事をしているときも、酒のんでるときも寝るときもだ。オレは十九。もうちょっとでハタチになる。年かっこうだって悪くない。たまんないよ奈保子。ま、ともかく、早く腰を直せ。腰はいちばん大事なところだからな。腰が悪けりゃ女の役が立たない。早くよくなって。たっぷりとかわいがってやっからな。正月休みには奈保子のとこへ行くから、楽しみにして待ってろな。福島県郡山市のガイ鉄郎より」

もう、こうなってくると、ファンレターというよりも脅迫文。ファン心理というのはまことに恐ろしい。