深まる片山元副知事の疑惑
「信金への拠出要請と、補助金増額指示があった時期は一致している。このため『補助金を多く付けるからパレードに拠出しろ』との要求が信金側になされたのではないかとの疑惑が浮上したのです。事実なら、不当な税金支出、背任事件です」と県関係者は話す。
片山氏は9月6日の百条委の証人尋問で、B信金理事長に協力は求めたが「具体的な額は言っていません」と主張し、拠出額は信金側が自主的に決めたと強調した。
「ところが、関係者によれば、10月24日に非公開で行なわれた百条委で、B信金理事長が『2000万円準備してもらえるとありがたい、と片山氏から言われ、信金ごとの分担額を決めました』という趣旨の証言をしました。片山氏の証言は偽証の疑いが出てきました。
B信金理事長は、パレード協賛金は補助金のキックバックだとの指摘には同意していません。ただ、これは『そうだ』と言えば信金も背任の共犯になるので、この証言は今後の検証の対象です。警察や検察の捜査でなければ難しい部分かもしれません」(在阪記者)
さらに10月24日の百条委では、補助金を1億円から4億円に積み上げる作業に関わった県職員が、増額する根拠は「なかった」との趣旨の証言をしたと県関係者は話す。
「当たり前です。需要予測に基づき必要な予算を1億円と算出したのに、それが4億円になった理由は知事と副知事からの指図だけなんですから」(同関係者)
「10月25日に2度目の証人尋問を受けた片山氏は終了後、記者団に『補助金をキックバックした事実はない。(B信金理事長には)一信金当たり200万円でお願いしたい、と話した。(補助金を4億円にしたのは)適正な補助額だ』と主張しました。
しかし、信金側に具体的な金額を求めていないという9月の主張が崩れた以上、他の言い分を信じられるでしょうか」(地元記者)
斎藤氏とともに県政を差配していた片山氏の主張を、当事者らが公然と否定し始めた。この間の県政混乱の“核心”ともいえる疑惑の解明へ続く扉が開こうとしている。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班