現地10月30日、MLBワールドシリーズの第5戦が行なわれ、ここまで3勝1敗のロサンゼルス・ドジャースは敵地でニューヨーク・ヤンキースと対戦。5点を先行されながら5回表に一挙5点を奪って追いつき、その後もシーソゲームを展開してついに8回表、勝ち越しに成功する。最後はウォーカー・ビューラーがクローザーとして登場してシャットアウト。激戦を7対6で制し、見事4年ぶり8回目の世界制覇を成し遂げた。
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その日の午前、ヤンキースがひとつの緊急声明を発表した。第4戦でドジャースのムーキー・ベッツがファウルフライをキャッチした際、スタンドの男性ファン2名がグラブを掴んだボールを奪い取ろうとした危険かつ悪質な行為に対して、球団としての見解を示したものだ。
リリースには「ヤンキースタジアムはその活力と激しさで知られている。だが、チームを応援する高揚感が、意図的に選手を身体的な危険に晒すという一線を越えてはならない。ヤンキースとメジャーリーグは昨夜のような行為を断じて容認しない方針を貫く。これらのファンはいかなる立場であっても、今夜の試合に参加することは許されない」と記され、球団は男性ファンらの第5戦観戦を禁じた。
米ネットワーク『ESPN』のジェシー・ロジャース記者はスタジアムから退場させられた直後に男性ファン2名を直撃。オースティン・カポビアンコ氏にジョン・ピーター氏と両名の実名を明かしたうえで、彼らがシーズンチケットホルダーであることなどを伝えた。
さらに第5戦への入場を禁じられた後にもカポビアンコ氏と接触。同氏によるとヤンキース側から第5戦のチケット代が払い戻され、もしスタジアムに来場して観戦しようとすれば逮捕もあると通告されたという。「俺たちは短期間の入場禁止であることを願っている。シーズンチケットを失いたくない」とも話しており、出禁措置が来季にも及ぶ可能性を示唆されたようだ。
世紀のワールドシリーズに水を差した蛮行。永久出禁などの厳しい追加処分が下ったとしても、致し方ない代償と言うべきだろう。
構成●THE DIGEST編集部
【画像】ESPN記者の直撃取材を受ける、ベッツを襲った男性ファン(中央)
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