35歳になる演歌歌手・大江裕、祖父母の「孫が見たい」発言が一番の悩み…2025年の“36(三郎)イヤー”に向けて返すべき演歌界への恩義

同世代に向けたメッセージ「悲しい涙の後には 嬉し涙があるものを」

――仕事がうまくいかなかったり、人間関係に悩んだりなど、毎日に生きづらさを感じている同世代の人も多くいると思います。そんな方々へ向けて、大江さんはどのようなアドバイスをされますか?

たとえば、「いまの仕事が辛くて仕方がない」という方もたくさんいらっしゃると思います。そうした方に考えてほしいのが、「いつでも辞めることはできるんだ」ということ。

僕にも何度も辛いと思うときがありましたし、極論を言ってしまえば、今日マネージャーさんに「辞めさせてください」と言うことだってできるんです。

でも、僕の好きな言葉に「悲しい涙の後には 嬉し涙があるものを」というものがありますが、辛いことを乗り切ったあとには、必ず明るい未来が待っています。なので、将来「あのとき辞めなきゃよかったな」と後悔することだけはしないでほしい。

自分だけで考えずに、親御さんや友人に相談しながら、自分なりの生き方を決めていってほしいですね。

――11月6日には、新曲『北海ながれ歌』がリリースされます。この新曲は、どういった内容のものなのでしょうか?

この曲は、『大江裕の北海道湯るり旅』(HBCテレビ)の放送をきっかけに、北海道方面の活動が増えたことがきっかけでリリースが決まりました。

僕はこれまで、北島先生(「原譲二」名義)に曲を作っていただいていたのですが、そのときは「辛いときこそ、頑張ろう」「元気に乗り越えていこう」という応援ソングが多かったんです。

一方、今回は弦哲也さんに作曲していただいたことでガラリと変わり、「恋」がテーマとなっています。

歌詞としては、「2人で決めて別れたのに、男には未練が残る。別れなきゃよかった。お袋にも合わせられずに、自分は親不孝だ」ということが描かれているんですが、どこか現在の自分の姿を重ねてしまって、歌うとすごい気持ちがこもってしまうんです。

僕は早くおじいちゃんに子どもの顔を見せてあげたいので、歌詞を実現させては絶対にダメなんですが(笑)。

ただ、僕としては、この歌詞の中の2人は、どこかでまた巡り合って、幸せに暮らしているんじゃないかなと。そういったことをイメージしながら、なるべく寂しくなりすぎず、明るく歌うようにしています。

――では、最後にファンの皆様にメッセージをお願いします。

いつも本当にありがとうございます。新曲のリリースのほかにも、現在バンド編成で演歌を披露しようと、来年に向けていろいろと仕込んでいるところです。

あと、来年は僕が「36歳」になるということで、「36(三郎)」イヤーなんですよ。これはもう、大々的に北島先生を祝うべく、これまで以上に精一杯頑張らなければいきたいなと思っているので、ぜひお楽しみにしていてください。

『北海ながれ歌/さいはて浪漫』大江裕(CROWN MUSIC)
2024年11月6日発売(税込1500円)

酔えばあいつの呼ぶ声が、北の夜空で風に舞う…
大江裕の新曲は、北海道を旅する路地裏演歌!!

デビュー 15周年を通過し、新たな一歩を踏み出す大江裕の今作は、大江裕の新曲は、北海道を旅する路地裏演歌!!
HBC「大江裕の北海道湯るり旅」という番組が不定期ながら3月よりスタートし、それに伴う北海道方面での活動が増えたことを踏まえてのリリースとなりました。作曲の弦哲也氏とは初顔合わせ。カップリングも北海道がテーマのスケール感のあるメジャー演歌です。

取材・文/毛内達大 撮影/井上たろう