昭和上司とZ世代若手の板挟み…35歳中間管理職の女性教員の苦悩「土日は部活引率で正直婚活どころじゃない」

結婚に焦りも、仕事との両立が困難 

そんなゆいさんも赴任して4年。相変わらず業務量が多くて余裕のない日々だが、35歳の節目にプライベートの夢にも意識が向いてきたという。

「女性として生まれたからには、子どもを産むという経験をしてみたいと昔から思っていました。私の親世代は『結婚=女性の幸せ』という価値観がまだまだ強いのもあって、最近は『結婚してほしい』という思いが母からビシビシ伝わってきます(笑)

だから、40歳までの5年間は結婚・妊娠に向けて強く行動していきたいです」

そう意気込むゆいさんだが、やはり悩む先は教員の多忙な働き方と婚活との両立だ。
あまりの忙しさから昨年入会した結婚相談所も現在、一時休止中だという。

「運動部の顧問を持っていると、土日も練習や試合があって、思い通りに予定が立てられない。休みたいなって思う時もありますが、『体育教員で独身なのに、土日の部活の練習にでられないってどういうこと?』という謎の圧も昭和世代の上司から感じる…。

でも、そうなると週7日勤務になるんですよ。婚活しててもデートの隙間が捻出できないし、忙しい人って思われたらデートだって誘いづらいじゃないですか。そうなるとやっぱり仕事に理解のある同業者じゃないと一緒に生活するのは難しいのかなって」

同世代の友人の多くは結婚し、すでに第二子も出産。子育てに奮闘している友人の姿を見ては、焦りは募るばかり。そんなゆいさんに改めて35歳という年齢に対して思うことを聞いてみた。

「正直、もう35歳になってしまったと悲観的に捉えてます。私も早く結婚して子どもを産みたいなって思っているからこそ余計にそう感じてしまう。仕事は楽しいし、やりがいもある。毎日とても充実してるんです。

ただ自分の人生のための時間を意識的に作っていかないと、月日がいたずらに流れてしまう。新たな世界に行くための努力も同時に進めていかないと、チャンスを掴み損ねてしまうと思うんです。だから自分の人生も積みながら、保健体育の教員として、今後も現場で活躍していくのがこれからの夢ですかね」

取材・文/木下未希 集英社オンライン編集部