ミネソタ・ティンバーウルブズのアンソニー・エドワーズは、過去のNBAと現在を比べした質問を受けた際「当時はスキルのある選手はいなかった」と発言し、マジック・ジョンソン(元ロサンゼルス・レイカーズ)やアイザイア・トーマス(元デトロイト・ピストンズ)らレジェンドの反感を買った。ボストン・セルティックスでアシスタントコーチを務めるサム・キャセールも、“くだらない”とエドワーズの意見を一蹴している。
2020年のドラフト全体1位指名でNBA入りしたエドワーズは、ルーキーイヤーからウルブズの主力を担い、2年目の2021-22シーズンには平均20点の大台をクリア。続く2022-23シーズンには初のオールスター出場、昨季は平均25.9点をマークしてチームをウエスタン・カンファレンス第3シード(56勝26敗)に導いた。
パリ五輪を経て迎えたプロ5年目の今季も、開幕4試合でリーグ5位の平均30.0点、6.3リバウンド、3.5アシストをあげるなど、存在感を発揮しているエドワーズ。そんな勢いに乗る23歳は今年8月、『ウォール・ストリート・ジャーナル』のインタビューで「バスケットボールは昔とどう変わったか」と尋ねられた際の発言が、波紋を呼んでいる。
「以前を見ていないから何とも言えないけど、当時は今よりもタフだったと言われている。でも、当時はスキルのある選手は誰もいなかったと思う。マイケル・ジョーダンだけが本当の意味でスキルがあった。だから、コビー(ブライアント)を見た時、『マジか』となった。今はみんながスキルを持っているけどね」
“昔はスキルのある選手がいなかった”との意見に対し、名司令塔のマジックは「一度も優勝したことのない男(エドワーズ)の言うことには反応しない」と言及。また、1989、90年にリーグ2連覇を果たすなど同世代に活躍したトーマスも「プロパガンダが働いている。何を信じるかは慎重に」と、エドワーズに“忠告”した。
アキーム・オラジュワン(元ヒューストン・ロケッツほか)、ジェイソン・キッド(元ダラス・マーベリックスほか)、レイ・アレン(元ミルウォーキー・バックスほか)、ポール・ピアース(元ボストン・セルティックスほか)など、多くの殿堂入り選手たちと一緒にプレーし、現在は昨季優勝したセルティックスでアシスタントコーチを務めるキャセールも、元NBA選手のマーク・ジャクソン(元ニューヨーク・ニックスほか)がホストを務めるポッドキャスト『Mark Jackson Show』に出演した際、「若い選手はくだらないことを言う(笑)」と苦笑いした。
「アントマン(エドワーズ)はいいボールプレーヤーだが、多くのスペースを与えてもらっている恩恵を受けているんだ。一方にリック・スミッツ、もう一方にデイル・デイビスがいたらもう動けない。でも今はもうゲームが変わっていて、スペーシングがとてもワイルドなんだ。
みんな3ポイントシュートの引き出しを持っているが、昔にスキルのある選手がいなかったというアントマンの意見には同意できない。スキルのある選手はたくさんいたけど、スペースがなかったんだ。(エドワーズには)1990年代前半のハンドチェックがあって、フレイグラントファウルが吹かれなかった時代にプレーしてほしかったね」
多くのOBたちから苦言を呈されているエドワーズ。批判の声を封じるには、ウルブズをフランチャイズ史上初優勝に導くしか道はないだろう。
構成●ダンクシュート編集部
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