年収600万、持ち家アリでも普通レベル…脳梗塞をきっかけに婚活を始めた35歳の“婚活市場”の厳しさ「相手から求められるハードルがどんどん上がっている」

お互いに地雷だらけ 35歳の婚活のリアル

さらに向こうから求められるハードルは上がる一方で、やはり自分の中でもそれなりに妥協できない点が増えているという。ルックスが好みの女性とお見合いをしたが、ある点から自分からお断りしてしまった経験もあると話す。

「その女性は食べるのがめちゃくちゃ早いし、食べ方が汚かったのです。ほかのパターンですと、何回会ってもずっと敬語をやめない女性に萎えたこともあります。敬語といっても普通の“です・ます”調ではなく、部活の後輩のような“~っす”みたいな敬語だったのが特に萎えるポイントでしたね。

自分でも細かいかなとは思いますが、35歳となれば、それまでにいろいろな人を見てきているわけですし、意識していなくても勝手に比べてしまいます。若いころは小さなコミュニティーでその人しか見えていませんでしたが、今はそうじゃないのですから」

さらに交際相手ではなく、結婚相手を決めるという判断で相手を見ることも、婚活が難しい原因の一つだ。中には、どうせ結婚するなら、「今まで付き合ってきた誰よりもいい相手と……」というモチベーションで婚活をしている人も少なくない。

そんな中で、相手の“地雷”となる行動を避け、相手に気に入られるのはかなり大変だ。

大人になって、自分の価値観がしっかりと形成されているからこそ、“許せないこと”も増えている。35歳の婚活では、自分の陣地も相手の陣地も地雷だらけ。地雷を踏まずにたどり着けた2人だけが結ばれるのだ。

若いときは、空を飛んで相手のところにまで行くこともできただろうが、35歳の大人はしっかりと地に足をつけ、一歩一歩踏みしめて進んでいく。

「あと思うのは、フラれたときのショックが若いころとはケタ違いですね。『また新しい人と1から関係を築き上げなければいけないのか……』という時間を浪費してしまった徒労感と、年齢的な焦りを感じます。しかし何よりも単純に、相手から拒絶されてしまったことがショックなのです。

自分のアイデンティティが確立されている分、フラれたら人生を否定されたくらいに思ってしまうんですよね。仮交際までいってからフラれたときには、一週間仕事がまともに手がつかないくらいのダメージでした」

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35歳から婚活を始めるメリットは「ナシ」

35歳での婚活苦労話を明かしてくれたミヤさんだが、逆に35歳から婚活を始めたからこそのメリットはないかと聞くと、ハッキリと「ありません」と話す。

「いまでは同僚や友だちとバーベキューなんかすると、子どもを連れてくる人が多い。一人でいると虚しくなってきます。それに、今から結婚して子どもができたとしても、子どもが20歳になるころにはもう60歳でよぼよぼやん……とか思うと、ただただ焦りますね」

ミヤさんは35歳から婚活を始めてからすでに3年が経過した。“35歳”という年齢について今、思うことはあるだろうか。

「自分が35歳のときは、その年齢を特に意識はしていませんでした。しかしそこを超えた今は、35歳が節目だったなと感じます。結婚だけじゃなく、体力的にもだいぶガクっと落ちるタイミングで、僕は実際に病気もしましたし。35代後半になるとやれることは狭まりましたね。 だからこれから35歳になる人にアドバイスするとすれば、結婚したいなら35歳までにはしろよと(笑)」

取材・文/集英社オンライン編集部