社会人のための英語の学び直し法、TOEIC L&R 600点を目指すならeラーニングなど使った基礎固めが効果的

 【社会人のためのTOEIC Program・5】Bさんは、海外に支社や工場があるメーカーの開発部門にSEとして勤務する30代男性。英語の必要性は認識していますが、あまり得意ではありません。会社からTOEIC L&R 600点の取得を奨励されていますが、入社時に受験したときのスコアは480点。最近、海外の工場とメールのやり取りやオンライン会議をすることが増えていて、英語力を伸ばす必要性を痛感しています。

●英語に苦手意識がある人は、まず英語の「音への慣れ」と「基礎固め」に集中を!



 Bさんのように、英語の必要性や英語ができる利点を実際に理解していても、そもそも苦手意識があって目標が高過ぎるように感じてしまい、「いつか十分に時間が取れた時にまとめて勉強しよう……」と実行に移せないままという人は、結構いるのではないでしょうか。しかし、語学は言葉ですので、ごく短期間での習得や一夜漬けで知識を詰め込んで目標スコアを取ることはできません。

 反対に、毎日15~30分でも自然で良質な英語の音声を聞いたり読んだりすることで、英語に触れるのが「勉強」ではなく、「日常的な自然な行動」になる方が語学の習得に非常に良い効果を生み出します。「習うより慣れよ」という言葉がありますが、これは仕事を覚えるときだけでなく、英語学習にも当てはまるのです。

 ではBさんのようにTOEIC L&R 600点突破という明確な目標があり、実際に仕事でも英語を使用する機会がある場合、どのように英語学習を進めていけばいいのでしょうか。まず強くおすすめしたいのは、「苦手意識の払拭」です。

 日本人学習者が苦手意識を持つスキルは「話す」スキルだといわれますが、実は「話す」以前に「聞く」スキルでつまずきを感じて、諦めてしまう人は多いのではないでしょうか。言語習得の中で「聞く」スキルを伸ばすことは非常に重要ですので、まずはこれを最優先に、日常生活のサイクルに自然な形で「英語を聞く5~10分」を一つ加えてみましょう。

 聞くスキルを伸ばすには、なるべくたくさんの量を聞いて理解できる語彙や表現の範囲を増やすことが肝要ですので、同じフォーマットを持つ番組やコンテンツを繰り返し聞くのがおすすめです。自分の興味関心が続く、飽きのこないものを選んで聞いてみましょう。「好きな洋楽を毎日聞く」「ポッドキャストで日本のニュースを英語で聞く」「YouTubeやSNSで日本を旅行している外国人のVlogを視聴する」なども面白いといえます。

 また、近年は日本人のスポーツ選手や俳優などが英語インタビューを受ける機会も増えましたので、そのような日本人が英語を話すインタビューを見てみてもいいかもしれません。「普段日本語でよく見知っていることだけど、英語だとこんな表現ができるのか!」「●●さんって、こんなに堂々と英語で受け答えしていてすごいな!」など、身近な話題や人物であるからこその新鮮な発見があるかもしれません。

 「英語に触れるのが苦痛ではない」と感じる段階に入ったら、次にTOEIC L&R 600点獲得のための英語学習に取り掛かりましょう。600点を目指す人は英語初中級レベルだと考えられますが、日常レベルの語彙知識、土台となる文法知識、スムーズに「聞く」「読む」スキルなど、強化すべき課題が複数あるケースが多いです。そんな人におすすめしたいのは、TOEIC L&Rの学習と英語力全般の基礎固めが同時にできるよう設計された教材を利用することです。

 TOEIC L&Rに登場する単語やシチュエーションは、日常の買い物のやりとりなども含め、広い意味でのビジネス関連のものが圧倒的に多いので、Bさんのように会社からスコアの取得が求められ、実際の仕事でも英語のメールのやり取りや会議が発生する社会人にとっては、そこで学んだフレーズなどがそのまますぐに使えます。受験に備えることで、仕事に役立つ英語実務のトレーニングもできるので、一石二鳥というわけです。

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●eラーニングなどを使って、すきま時間に学習しよう!



 仕事に追われるビジネスパーソンにとっては、好きなコンテンツの英語を毎日5~10分聞くくらいはできるけれど、英語学習に充てる一定の時間をしっかり確保するのは大変、という人も多いでしょう。そういう人は、スマートフォンがあればオンラインでいつでもどこからでも取り組めるeラーニングを試してみてはいかがでしょうか。すきま時間にコツコツ解き進めていくことができ、忙しい社会人にもおすすめです。

 eラーニングにもさまざまなものがありますが、600点突破が目標であれば初中級者向けのコンテンツが充実したものを選ぶと良いでしょう。初中級者がつまずきやすい音変化や文法事項について学習できたり、「ディクテーション」「リピート」などのように手や口を動かして英語に触れられたりするものであれば、忙しい日々の中でも続けやすいと思います。

 学習管理やモチベーション維持に配慮された機能も大切です。修了ランクによってアチーブメントが授与されたり、グラフで学習の進捗を一目で確認できたりする機能があると、モチベーションの維持に寄与するかと思いますので、選択の参考にしてください。

 eラーニングのようなオンラインの学習教材は、動画で解説が聞けたり、手や口を動かすトレーニングができたり、学習管理がついていたりなど、メリットがたくさんありますが、受講期間を過ぎると学習コンテンツにアクセスできなくなるものが一般的です。申し込む際はその点を十分留意して、最初から英語学習に充てる期間として学習計画を立てておき、その期間は英語学習に集中して取り組むようにすると良いでしょう。(国際ビジネスコミュニケーション協会)

■Profile

国際ビジネスコミュニケーション協会

「人と企業の国際化の推進」を基本理念とし、英語によるコミュニケーション能力の向上やグローバル人材の育成に係わる活動を展開。TOEIC Programの実施・運営をはじめ、公式問題集シリーズなどの出版、「TOEIC 公式eラーニング 基礎編 Listening & Reading」などの英語学習ツールも提供している。