映画『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』東京国際映画祭 来日スペシャルトークイベントが4日、東京都内で行われ、来日した出演者のポール・メスカル、デンゼル・ワシントン、コニー・ニールセン、フレッド・ヘッキンジャーが登壇した。

 本作は、古代ローマを舞台に、皇帝の後継者争いの陰謀に巻き込まれ、剣闘士(グラディエーター)として苛烈な戦いに身を投じる男の姿を描いたスペクタクルアクション『グラディエーター』の24年ぶりの続編。

 主人公のルシアスを演じたメスカルは「この作品の脚本を読んで、復讐(ふくしゅう)を誓う男が血筋や信念を受け継いで英雄になっていく。その変遷の両面を演じられたのは役者冥利(みょうり)に尽きました」と語った。

 11年ぶりの来日となったマクリヌス役のワシントンは「5部門ものオスカーを獲得した名作の続編であること、素晴らしいキャラクターと脚本、そして素晴らしい監督(リドリー・スコット)と一緒に仕事ができることが出演の決め手でした」と語った。

 登壇した4人の中で唯一、前作にも出演していたルッシラ役のニールセンは「前作の物語から十数年後が描かれ、ますますぜいたくや腐敗がはびこるローマ帝国となった、その変化をスコット監督がさりげなく映像の中で示しています。崩壊しつつある帝国に身を置く感覚を観客の皆さんも感じてもらえると思いますし、技術の進化によって彼が本当に描きたかったローマ帝国のありのままをスクリーンで描けるようになったと思います。映像トリックや引き出しの多さによってさまざまな角度から撮影していました」と語った。

 カラカラ帝役のヘッキンジャーは「360度どこを見渡してもローマ帝国であるようなセットを、スコット監督が作ってしまったんです。どこを見てもリアルな世界で、常に8~12台ものカメラが回っていて、全てのスケールが圧倒的。私の衣装も、一目見て何もかもギラギラの派手さで、これこそ欲や腐敗によって帝国が落ちていくことを表現するのにぴったりだと思いました」と振り返った。

 また、メスカルは「3~4週間ぐらい、体がボロボロになりながらアクションを撮影していました。大きな船に乗ったり、サイ、ヒヒとも戦った。バトルもレベルアップしているのは技術の進化もありますし、物語としてもさらに大きな使命が懸かっているからで、観客の皆さんに楽しんでいただくためです」と明かした。

 続けて、「リドリーは、どの瞬間にもアドレナリンを与えてくれる監督なんです。トレーナーさんにもお世話になりました。夢のような作品、夢のような撮影セットですし、これだけたくさんの人が愛する作品の続編ですから、これでアドレナリンが出ないなら俳優という仕事は考え直したほうがいいですね」とコメントした。

 最後は、本映画祭のコンペティション部門で審査員を務める俳優の橋本愛が駆けつけ、キャストの一人一人に花束を贈呈した。