男子テニス元世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現5位)が、現在母国で行なわれているツアー大会「ベオグラード・オープン」(11月3日~9日/セルビア・ベオグラード/室内ハードコート/ATP250)を観戦。合間にはファンサービスを行なうなど見せ場も作った。
ATP(男子プロテニス協会)公式サイトによると、ジョコビッチは現地4日に実施されたハマド・メジェドビッチ(セルビア/156位)とブランドン・ナカシマ(アメリカ/37位)による1回戦をスタンドから観戦したという。試合はジョコビッチが遠征費をはじめ経済面で手厚くサポートしている同胞のメジェドビッチがナカシマに3-6、7-5、6-3で逆転勝利。勝ったメジェドビッチは2回戦でアレクサンダー・コバチェビッチ(アメリカ/101位)と対戦する。
今夏のパリ五輪で悲願の金メダルを獲得した37歳のジョコビッチは、先月初めに行なわれたツアー大会「ロレックス上海マスターズ」(10月2日~13日/中国・上海/ハードコート/ATP1000)で準優勝。その数日後には自身を含め四大大会優勝経験者が勢揃いしたエキジビションマッチ「シックス・キングス・スラム」(サウジアラビア・リヤド/ハードコート)に参戦し、今季限りでの現役引退を表明しているラファエル・ナダル(スペイン/元1位)との61度目の対決を制していた。
しかし先週ディフェンディングチャンピオンとして出場するはずだった「ロレックス・パリ・マスターズ」(フランス・パリ/ハード/ATP1000)は欠場。昨年の優勝で得た1000ポイントを失効した影響もあり、4日に更新された世界ランキングでは4位から5位に後退した。
また2連覇中のシーズン最終戦「Nitto ATP ファイナルズ」(11月10日~17日/イタリア・トリノ/ハード)のレースランキングでは6位につけているものの、まだ出場権は獲得できておらず、現在ジョコビッチとキャスパー・ルード(ノルウェー/7位)、アレックス・デミノー(オーストラリア/8位)、アンドレイ・ルブレフ(ロシア/9位)で残り3枠を争っている状態だ。
ただしジョコビッチはかねてから「シックス・キングス・スラム」以降のプランが全くないと語っており、仮にファイナルズ出場が決まってもプレーせずに今季を終える可能性は高い。
それでも現時点では来シーズン以降も現役を続ける意向を示しているジョコビッチ。まだモチベーションを失っていないことがわかっただけでもファンとしてはうれしいものである。ひとまず今はファイナルズの出場権を獲得できるか、注目したいところだ。
文●中村光佑
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