バックカントリー必須のアバランチビーコン | 選び方のポイント

※本記事は’23-24シーズンに展開したものを一部リメイクしたものです

バックカントリーに出るのに携行必須ともいわれるアイテムの一つがアバランチビーコン(トランシーバー)。ガイドなどが使う多機能な高性能モデルから一般ユーザーが扱いやすいモデルまで多種多様だ。どのようなことに着目して選べばよいだろうか。

アバランチビーコンの役割

アバランチビーコンは雪崩に巻き込まれて埋まった人の位置を特定するために必要な機器。雪崩に巻き込まれた場合の生存率は15分以内で92%、45分後には26%と急激に低下する。15分以内に素早く発見し掘り出すために、埋没ポイントをビーコンで把握する。

Photo by ORTOVOX

(広告の後にも続きます)

ビーコンの仕組み

捜索者が受信モードに切り替えると約1秒間隔で電波が発信される。通常は無線信号を発信する送信モードにセットしておき、雪崩が発生したら捜索者側が受信モードに切り替える。送信モードでは457kHzの微弱電波を発信し、受信モードでは電波を発信している雪崩ビーコンの位置を特定する(距離や方角を示す)。

受信モードは埋没者を見つけるため、送信モードは見つけてもらうためだ。メーカーにより性能差はあるが互換性を持ち、異なるメーカーにより作られたビーコン同士でも送受信の機能が働く。埋没者のビーコンが発する信号を捉える形で位置を探し当てる。

ビーコンにはアナログ式・デジタル式・デジタルとアナログの切替式の3タイプがある。アナログ式にはアンテナが1本内蔵されており、デジタル式には1~4本のアンテナが内蔵されている。アンテナが多いほうが捜索精度は高くなる。アナログのほうが受信感度は高く広範囲の受信が可能だが、扱いには熟練が必要になる。

その意味では、アナログとデジタルの切替式は、埋没ポイントまで距離の遠い間はアナログで受信し、近くなったらデジタルで捜索するという、両方のいいとこどりをした形だ。

photo by bca