「いつか来るとは思っていたけど、想像以上に早かった」
演技力には定評のある髙石。エイベックスに所属していることで、「ゴリ押しでは?」というひねくれた見方もできてしまう……。しかし、実際はそんなこともなく、事務所は彼女をきちんとサポートしている。
「マネージャーが礼儀を重視しているそうで、特に挨拶を大事にしているようです。本人の元からの人柄もあると思いますが、俳優である前に人として謙虚であることをちゃんと伝えている。
そのうえで、彼女も役の大小にかかわらず腐ることもないため、“がんばります!”という姿勢に、業界人から好感度が高いのも納得です」(前出・B氏)
なによりも『髙石あかりファースト写真集 幻灯』(東京ニュース通信社)を発売するほど、ビジュアルもいい。ただ、前出のA氏によると「美人すぎる」ことは、時として不利になることもあるという。
「クールビューティー系の女優は“いつもは地味なのにメガネを外したら超美人”などの設定を作らなければ、その美貌が勝ってしまい、話が入ってきません。
しかし、髙石さんの場合はそういったギミックもいらないのです。“なんで美女がこんなことをしているの?”と感じさせることなく、隠のオーラをまとったり、オタクっぽいしゃべり方も、すべて演技でこなすからです」
それを21歳という若さで表現できているのが、評価される所以だろう。
「誰でも歳を重ねるごとに演技は上手くなりますが、10〜20代前半のうちに作り手たちが納得する演技力を持ち合わせている役者は正直、多くいません。そのため、20代中盤の女優に女子高生の役をお願いすることは多いです。
しかし、髙石さんはすでに高い表現力を持ち合わせているため、これまでさまざまな作品に呼ばれてきたのでしょう。そのため、今回彼女が朝ドラのヒロインに選ばれたことについても、関係者たちはみんな“いつか来るとは思っていたけど、想像以上に早かったね”と納得しきりです」(同前)
髙石が主演を務める『ばけばけ』は『怪談』で知られる日本研究家の小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻、小泉セツをモデルとしたオリジナルストーリーとなる。果たして、彼女は持ち前の演技力でどう化けるのだろうか。
取材・文/千駄木雄大