男子テニス元世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現5位)が11月5日に自身の公式インスタグラム(@djokernole)のストーリーズ(24時間で自動消去される投稿)を更新し、来週開幕するシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(11月10日~17日/イタリア・トリノ/ハードコート/FIN)を負傷により欠場すると発表。これにてシーズン終了となった。
現在37歳のジョコビッチは今シーズン、計12大会に出場し、国別対抗戦を除いた10大会のうちウインブルドンとパリ五輪、上海マスターズで決勝に進出。パリ五輪では初の金メダルを獲得すると同時に、悲願だった生涯ゴールデンスラム(キャリアで全ての四大大会と五輪を制すこと)の偉業を達成した。
しかし今季はツアータイトルが1つもなく、右ヒジのケガで長期離脱を強いられた2017年以来7年ぶりに通算勝利数が40を下回るなど、これまで無類の強さを誇ってきたジョコビッチからすると物足りない1年だった。自身でも「今年は結果の面では過去最悪のレベル」と振り返っていたほどだ。
それにもかかわらず最終戦レースランキングでは出場圏内の6位につけていたジョコビッチ。だが今回更新したストーリーズでは、残念ながら2連覇中のファイナルズには現在負っているケガにより参戦できないと発表。ファンへの謝罪の言葉を交えて次のように綴った。
「出場をとても楽しみにしていましたが、負傷のため来週のファイナルズには出られません。観戦予定だった方々には申し訳なく思っています。出場選手全員にとって、素晴らしい大会になることを祈っています。またお会いしましょう!」
これにより最終戦出場メンバーが確定。ヤニック・シナー(イタリア/1位)、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/2位)、カルロス・アルカラス(スペイン/3位)、ダニール・メドベージェフ(ロシア/4位)、テイラー・フリッツ(アメリカ/6位)、キャスパー・ルード(ノルウェー/7位)、アレックス・デミノー(オーストラリア/8位)、アンドレイ・ルブレフ(ロシア/9位)の8名となった。
01年以来23年ぶりに、“ビッグ3”として男子ツアーを牽引してきたジョコビッチ、ロジャー・フェデラー(スイス/元1位/引退)、ラファエル・ナダル(スペイン/元1位)がいずれも出場しない今年のファイナルズ。新たな時代の幕開けを告げる戦いに注目しよう。
文●中村光佑
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