「あのチームは決して動くことを止めない」テイタムが昨プレーオフで最もタフだった相手を告白「全員がお互いのためにプレーする」<DUNKSHOOT>

 昨季、球団史上18度目のNBAチャンピオンとなったボストン・セルティックスは、今季8試合を終えて7勝1敗(勝率87.5%)でイースタン・カンファレンス2位につけている。

 大黒柱のジェイソン・テイタムは平均30.0点、7.4リバウンド、5.1アシスト、1.9スティールと開幕から好調をキープ。現地時間11月4日(日本時間5日、日付は以下同)のアトランタ・ホークス戦ではゲームハイの28得点、9アシストに6リバウンド、2スティールをマークした。

 そうしたなか、26歳の生え抜きエースがこの日に公開されたポッドキャスト番組『Club 520 Podcast』へ出演。元チームメイトのジェフ・ティーグとトークを展開した。

 昨季のセルティックスはレギュラーシーズンで2位のニューヨーク・ニックス(50勝32敗/勝率61.0%)に14.0ゲーム差をつけ、リーグベストの64勝18敗(勝率78.0%)の好成績を収めると、プレーオフでも16勝3敗(勝率84.2%)と圧倒的な強さで2008年以来のリーグ制覇を成し遂げた。

 チームは1回戦でマイアミ・ヒート、カンファレンス準決勝でクリーブランド・キャバリアーズ、NBAファイナルでダラス・マーベリックスをそれぞれ4勝1敗で撃破。しかし、テイタムは唯一のスウィープ決着(4勝0敗)となったカンファレンス・ファイナルで対戦したインディアナ・ペイサーズを“最もタフな相手”だったと語った。

「昨年の僕らにとって、最も難しかったのがペイサーズとのシリーズだった。彼らの速いプレースタイルもそうだし、あのチームには3人の有能な控えがいた。TJ・マッコネルはホームで水を得た魚のように活躍していたし、オビ・トッピンをはじめとするロールプレーヤーたちは皆無欲で、個々の役割に徹していた」
  昨季オフェンシブ・レーティングでセルティックスは歴代最高の122.2、ペイサーズも同2位の120.5を記録したが、カンファレンス決勝では前者がクリスタプス・ポルジンギス、後者はベネディクト・マサリンがシリーズを全休。さらにペイサーズは司令塔兼エースのタイリース・ハリバートンを第3戦からケガで欠くなど両チームともフルメンバーで戦うことはできなかった。

 結果的には無敗で勝ち上がったセルティックスだったが、初戦はジェイレン・ブラウンが第4クォーター終盤に3ポイントを決めて延長の末に5点差で辛勝、第3、第4戦も3点差と、勝敗が示す以上にペイサーズの奮闘が目立った。

 リック・カーライルHC(ヘッドコーチ)の下、ペイサーズはパスカル・シアカムやアンドリュー・ネムハード、アーロン・ネスミス、マイルズ・ターナー、マッコネル、トッピンらが一丸になってセルティックスを苦しめた。

「あのチームは決して動きを止めない。(コート上の)全員がオフボールで動き回り、自分たちのスタイルを貫いて、お互いのためにプレーする。僕らからすれば、ディフェンスで彼らを止めたかった。さもないと135点取られていたかもしれない」

 そう回想したテイタムは「あれが彼らの望むプレースタイル。彼らのスタイルでプレーできれば、相手がどこであろうと倒せるってことなんだ」と、ペイサーズを称賛していた。

 なお、今季のセルティックスに初黒星をつけたのはペイサーズ。10月30日にインディアナで行なわれた一戦はテイタムの3ポイントで延長に持ち込んだものの、マサリンやシアカム、ハリバートンの活躍に押され、132-135で敗れた。

 両チームは12月27日と29日にも対戦する。テイタムが警戒したようにペイサーズのペースで試合が進めば不利になるだけに、王者の反撃に期待がかかる。

文●秋山裕之(フリーライター)

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