手ごろな価格のヘッドセットインカムHollyland「Solidcom SE」レビュー[OnGoing Re:View]

どのような場面で有効に使用することができるか?

放送局や大型のスタジオではやはり5人以上で使用することが多くなるわけだからSEとしては力不足というか、接続数不足なのは当然だろう。ではどのような場面で有効に使用できるか考えてみよう。

今回私がテストで使用していた場面ではとても有効に使えた。少人数での屋外屋内を問わない撮影チーム。小規模のスタジオでガラスなどでフロアとブースが仕切られている場合。少人数での撮影に関しては、撮影するカメラマンの意思疎通が無駄な撮影を行わなかったり、撮影漏れを出さないためには必要で、SEで自分が何を撮っているのか、サブカメラマンにここを撮影してほしいなどの指示を出すことで、無駄な撮影や撮り逃し等を格段に防げる。

小規模のスタジオでも、隔絶された空間では指示を伝えるためにドアを開閉しなければならないなどの手間と時間がかかってしまう。SEでそのままコミュニケーションが行えればそんな手間と時間はかからないのだ。

このほかにも似たような状況で言えば、結婚式などではSEはとても有効だと思う。撮り直しができない状況ということで、失敗は許されない。そんな状況でマスターカメラマンとサブカメラマンで事前に打ち合わせをしていても、現場は千差万別、状況は刻々と変わるわけだからリアルタイムでのコミュニケーションが必要なことは往々にしてある。

そんな時にもSEを使用していればその場を離れることなく指示を出せるのはパフォーマンス向上にもつながるだろう。これはビデオであろうとスチルであろうと言えることだと思う。

撮影などに関わらない小規模のイベントなどでも活用できるだろう。スマホなどでも代用することは可能だが、ハンズフリーというメリットはやはり大きい。お客様対応などで両手を使わなければならない場合、通信相手とコンタクトするためにスマホを手に対応することは難しい。SEであれば指示だけを聞くのであればミュートにして、必要な時にボタンを押してミュートを解除ということも簡単に行える。

そして私がSEを使って一番の使いどころだと思ったのはドローンチームで使用することだ。ドローンの操縦者はドローンの飛行中には基本的に機体から目を離すことはできない。本来、プロポのモニターを見ることも許されていない。機体を見ずに飛行させるためには目視内の限定を解除する必要があることから、複雑な操作が伴う通信装置は使用できない。

そこで補助者などとの通信をSEで行えばハンズフリーでリアルタイム、ノイズキャンセル機能で明瞭なコミュニケーションをとることができ、安全第一のドローンの現場では必ず重要なアイテムとなるだろう。

このように小規模のチームに特化した手に入れやすい価格帯のSEは、仕事のクオリティーとともに効率も格段にあげてくれるヘッドセットインカムだということは間違いないだろう。

小山田有作|プロフィール

you-artsの屋号で映像の仕事を始めて20年。企業PVやセミナービデオなどを中心に、ディレクションから撮影、編集に2DCGの作成などを行っている。スチルの撮影もこなし、現在はYouTubeの番組制作も携わっている。

Hollyland ワイヤレスインカムヘッドセット Solidcom SE 4S(2.4GHzモデル)

価格:税込95,480円

Hollyland ワイヤレスインカムヘッドセット Solidcom SE 4S(2.4GHzモデル)

価格:税込75,680円

Hollyland ワイヤレスインカムヘッドセット Solidcom SE 2S(2.4GHzモデル)

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