ドジャースは11月5日(日本時間6日)、大谷翔平がワールドシリーズ第2戦で亜脱臼した左肩の関節鏡視下手術を行ったと発表。大谷の右肘手術を2度執刀したニール・エルトラシュ医師が担当して成功し、来春のキャンプには間に合う予定という。

 大谷はワールドシリーズ第3戦後に左肩の手術の可能性について「今の段階では問題はないと思う」と否定的なコメントをしていた。

「亜脱臼の治療は基本的に安静が必要で、患部を温めておくことがいいとされる。大谷もベンチでは左肩に温熱器具を当てており、文字通り強行出場だったことは間違いありません」(メジャーリーグ担当記者)

 手術に踏み切った理由には球団からのリクエストもあったようで、さらに言えば今季の大谷加入でチームに対する経済効果が絶大だったことがある。

「今季レギュラーシーズンのホームゲームの観客動員は390万人超で、昨季より10万人以上増えている。ドジャースはコロナ禍の20年を除けば13年から観客動員で首位をキープしていますが、今季は飛び抜けていますよ」(前出・記者)

 またドジャースは今季、日本企業12社と新たに契約。大谷が出場するアウェーの試合でもいいから契約したいという企業もあったという。

「大谷の10年総額7億ドル(約1014億円=当時のレート)の高額契約に、加入当時はロサンゼルスでも『払い過ぎだ!』という声がありましたが、わずか1年で10年分の年俸をペイできている状況。来季、日本での開幕戦(3月18日・19日=東京ドーム=対カブス)は、大谷本人も希望する“二刀流”での完全復帰試合となる。こちらのドル箱も万全にするため、念には念を入れた左肩の手術ということ」(前出・記者)

 突然発表された大谷の左肩手術は、「パンクされては一大事」というドジャースの強い意向が窺えるのである。

小田龍司

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