交わることでいいバイブスが維持できる
「HIMARKには小さいながらも、お客様や仲間とのコミュニティがあるんです。ショップさんや他のブランドさんとコラボでオリジナルなアイテムもプロデュースしています。20双からオリジナルを作れるので、特別感を出すことができる。それをユーザーが感じることで結束が固くなって、仲良くなれるんですよね。いろんなところと交わることによって刺激をもらったり、ブランドとしていいバイブス的なものを維持できるんです」
ちなみにこちらは、STEEPでもフューチャーした「LADEビーニー」とのコラボ作品。LADEのロゴやオリジナルグラフィック入り。イヤーフラップの革はHIMARAKグローブの革だ。LADEがベースとする東北の気候・地域性も考慮されてデザインされている。
「東北で使うのに調子いいかなという厚み、機能性を考えて、ミトンや5本指の3種類のデザインがあります。あんまり厚ぼったすぎず、操作性も高く、でもすごく暖かい優れモノです」とコメントするのはLADEビーニーのオーナーの会田さんだ。國原さんは、こう言う。
「LADEさんとは共通項がいろいろあって。LADEさんとのコラボは楽しくて、とてもいいバイブスをもらえるんです」
なるほど、こうして創られたコラボ作品を見ると、両者の世界観の親和性、調和ぶりは見事なほどだ。
そして‘24-25シーズン、HIMARAKはまたひとつステージを上げた。スノー業界で初となるクワッドグローブ(4本指)をプロデュースしたのだ。今では3フィンガーグローブはお馴染みになっているが、4本指はあるようでなかったアイデア。もちろん、ライダーやユーザーからの「あったらいいな」を叶えた作品だ。
「雪山で作業などで手指を動かすことを考えたら5本指がもちろん一番機能的でいい。けれど特に小指が冷えやすいデメリットをぬぐえない。それなら小指の保温性を保つために4本指が一番いい、という答えに辿り着いたんです」と國原さん。
BRANDY
Material: deer
Color: Gray, Navy(全2 色)
Size: S,M,L,LL
Temp: -15℃~3℃
¥23,650
「鹿革にしたのは、鹿は柔らかで、硬くなりにくく、保温性も高いから。でも、コストは鹿のほうがかかる。値段もどうしても上がってしまうけど、良いものを、と考えたときに、やっぱり鹿かなと。牛より鹿のほうがキメが細かくて摩耗にも強いんです。
そして、鹿を使い始めたのは、増えてきた二ホンジカによる農作物や森林破壊などシカ害問題も意識して。ただ鹿たちを駆除するのでなくて、有効活用できたらいいなって」
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作り手としてのミッションとビジョン
國原さんは、この先にどんな景色を見ているのだろう。
「まだまだいろいろできることはあると思っているんです。最終的に目指してるのは、個人レベルのハンドメイドグローブが作れるところまで行きたいなって。そして、半永久的にグローブを使ってもらえるように、個々に対して完全なリペアができるようなところまで。
例えば、手のひらの革が破けたら1枚張り替えることでまだまだ長く使えるようになる。そういったリペアサービスがすべてのユーザーに向けて提供できたらすごく嬉しい。
生産の数は今後そんなに増やさなくてもいい。リペアでお代をもらう。愛用しているグローブの他に、用途やシーンによって使い分けるために新しいものを足していってもらう、というのが理想です。例えば厳冬期のバックカントリーで使う保温性の高いものと、春シーズンの薄めのスプリンググローブや、ゲレンデクルージング用のライトなものも、といった感じで。HIMARAKを気に入ってくれる人に、いろんなステージで揃えてもらう、そして長く使ってもらえるといいな。
僕、人が見たら、なんでこんなことしているの?っていうことをするのが好きなんです。
まずは完全リペアの実現、そして、ひとり一人のカスタマイズグローブができれば、作り手としての自分のミッション・役割は終わりかなと思ってます。そして、いずれ日本を飛び出して海外に出ることもチャレンジしたい。なので、今季からグローブに「Made in Kagawa,Japan」というタグをつけているんです。
國原さんは現在、相模原の飲食店の横にHIMARAKのショールームを建設中だ。ここがグローブのカスタマイズや、リペアの受付窓口になるといいな、という願いをもって鋭意作業中。この秋、完成と新たなサービスのスタートが楽しみだ。
教えてくれた人
國原龍一 Ryuichi Kunihara
HIMARAK ファウンダー
浅貝のパークでディガー兼ライダーとして活動後、神奈川県相模原にカフェ&バー「サルジ」を開店。2011年、Japanメイドの「HIMRAK」グローブを創立。ユーザーとのコミュニティを大切にしながらブランドを育て、現在は「Himarak Cafe 」も経営しながら、HIMARAKを通じて「いいものをずっと使う」というメッセージを発信している。
Himarak Cafe
神奈川県相模原市大山町11ー11
Tel:042-703-6945
Monday〜Satday 18:00〜0:00(Lo 23:00) Lest Sunday,Holiday
HIMARAK
公式サイト:http://himarak.co.jp/
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