女子・男子プロ10人のスイングを徹底解説!正しい形はどう作る?

【P7 インパクト】
「アドレスの再現」ではない!“腰も胸も開く”がインパクトの正解


イ・ミニョン・P7のお手本

P7のポイントは、腰と胸がP1のときより開いていることです。「インパクトはアドレスの再現」という人がいますが、これでは強いインパクトができません。下半身、上半身の順番で体の動きがクラブよりも先行し、つねにクラブを引っ張ることが重要です。


P1(写真左)→P7(写真右)
腰・胸が開いた状態でインパクトすれば自然とハンドファーストの形も作られ、
強いボールを打つことができる

背骨を軸に回転するので、P7で右肩の位置は少し下がっているのが正しい状態となります。この状態でP7を迎えると、イ・ミニョンプロのように体が開ききったうえで左腕とシャフトが完全な一直線になります。


後方から左足が見えるとグッドです

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【P8 フォローでシャフトが地面と平行】
ヒンジ方向に積極的にリリースして方向性アップ


幡地隆寬・P8のお手本

P8では、幡地プロのように遠心力で両腕がしっかりと伸びきっている状態を作っていきたい。そのためにもクラブをフォローに向かって、しっかりとリリースしていく意識が必要となる。右腕が左腕を追い越していくイメージですね。


P7からP8にかけて右腕が左腕を追い越す

このときの注意点は、リリースの方向がヒンジ(左手を甲側へ折る)方向であること。手首を回してこねてしまうと、急激なフェースローテーションを起こすのでNGです。

右手1本素振りドリル

手首を固めずに右手1本で連続素振りをすると、リリースのタイミングや感覚を自然につかめる

【P9 フォローで右腕が地面と平行】
右肩を左カカトまで回していけば体重移動がスムーズに行なえる


大里桃子・P9のお手本

後方から見たときに、クラブが左肩の下から抜けていくのがP9の正しい形。大里プロはP6以降の動きがとてもスムーズで、その結果として理想的なP9の形を作り出せています。


シャフトの角度がP1のシャフトプレーンと平行(写真左)
右足が左足に寄っていく・右肩は左カカトの上へ(写真右)

体重については、P9で7割ほど左足に移動しているため、右足が左足方向へ寄っていく。そして、右肩の位置は左カカトの上まで移動します。P7でボールに圧を掛け切れていないとP9で右足に体重が残りすぎてしまうので、正しいP9になっていない場合はP7の形や動きから見直しましょう。

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【P10 フィニッシュ】
美しき“Iの字”フィニッシュがスイングの合格証明


浅地洋佑・P10のお手本

体全体のシルエットがアルファベットの「Iの字」になっていれば、体に負担のない自然なフィニッシュが作れています。体重はこの時点で9割ほど左足に乗っており、右足はほぼそえているだけになります。

クラブが今より重く、ボールを上げづらかった時代は「逆Cの字」のフィニッシュがいいといわれていましたが、現代のクラブとはマッチしません。クラブとシャフトが自然とボールを上げてくれるので、体は余計なことをせずに自然にフィニッシュへ向かっていってほしいです。

浅地プロはスイング全体をとおして軸が傾く動きが少なく、最終的にきれいなIの字フィニッシュに収まっています。

「逆Cの字」や突っ込んだ「くの字」のフィニッシュになると、P7で”無理やり”何かを調整した可能性が高い。

たとえポールが真っすぐ飛んでいたとしても、再現性が高くないスイングになるので注意しよう

いかがでしたか? P1からP10のポジションをマスターしましょう。

レッスン=山形陵馬
●やまがた・りょうま/ジュニア時代から活躍し、2010年にプロ入り。ミニツアー優勝などの実績を重ね、現在は東京・麻布の「FIVE ELEMENTS」でレッスンを行なっている。

構成=石川大祐
写真=小林司、ゲーリー小林
協力=FIVE ELEMENTS
撮影トーナメント=BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ、ニチレイレディス、パナソニックレディース、ワールドレディスサロンパスカップ、アースモンダミンカップ