ときにアニメ界隈では、やむを得ない事情によって「放送延期」が発表されることがあります。そのあとすぐに続報があればまだ安心できるものの、なかには延期されてから音沙汰のない作品も少なくありません。



アニメ『NARUTO-ナルト-』放送20周年記念完全新作アニメーションのティザービジュアル (C)岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ

【画像】うれしいけどなんで今? こちらが30年ぶりに復活した名作アニメです(4枚)

『NARUTO』20周年終わっちゃったよ?

 毎年数多くのアニメが制作されていますが、そのすべてが必ずしも予定通りに放送されるとは限りません。例えば2024年10月27日に放送予定だったTVアニメ『SPECIAL EDITED VERSION「ONE PIECE」魚人島編』第1話がMLBワールドシリーズ中継で延期となり、ネット上では「ルフィが大谷翔平に負けた」などと話題になりました。

 同作の場合は「放送は11月3日(日)を予定」とアナウンスがあったため、お蔵入りになる心配はありませんでしたが、なかには放送延期が発表されたきり音沙汰のない作品も少なくないようです。

 2002年10月より始まった『NARUTOーナルトー』のTVアニメシリーズは、約15年にわたって放送され、2017年3月に最終回を迎えました。また同年4月からは続編にあたるアニメ『BORUTOーボルトーNARUTO NEXT GENERATIONS』の放送中です。

 加えて放送20周年を迎えた2023年には、『NARUTO』の完全新作アニメーションが放送されることが決定し、界隈は大いに盛り上がりました。しかし当初は同年9月3日より4週連続で放送される予定だったところ、新作アニメのさらなるクオリティアップを理由に、放送直前で延期が発表されます。

 アニメの公式サイトでは「新たな放送スケジュールに関しましては、公式HPや各種SNS にて、決定次第追って発表させていただきます」と告知されているものの、あれから1年以上が経過した今も続報はありません。もはや20周年を過ぎてしまった今、『NARUTO』の新作アニメを拝める日はやって来るのでしょうか。

 途中まできちんと放映していたにもかかわらず、放送が延期となり、そのまま音沙汰がなくなってしまった作品もあります。2024年の春アニメとして放送されていた『ささやくように恋を唄う』もそのひとつです。

 竹嶋えく先生の同題マンガを原作とした通称『ささ恋』は、「ひとめぼれ」から始まるガールズバンドラブストーリー、いわゆる百合作品となっています。界隈では好評を博していた同アニメですが、物語が進むにつれて作画の乱れが目立つようになり、第8話の放送後、制作上の都合により放送スケジュールの変更が発表されました。

 その結果、第9話と第10話は2週遅れで放送されるも、続く第11話と第12話に関しては、後日改めて放送するとアナウンスされたきり何の告知もない状態が続いています。

 おまけにアニメーション制作会社のひとつであった「クラウドハーツ」のWebサイトが消滅し、倒産したのではないかというウワサが浮上しました。『ささ恋』の最終回が永遠に放送されない可能性も出てきたとあって、最終回はどうなるのか、と心配するファンの声が多く見受けられます。

 そのほか、2020年に放送予定だった『陰陽百鬼物語』は、コロナ禍の影響による延期が発表されてから3年以上音沙汰がありません。ゲームアプリ『陰陽師本格幻想RPG』を原作とする同作は、心優しき陰陽師「安倍晴明」が、式神をはじめとする仲間とともに平安京の闇に立ち向かっていく物語です。

 2018年には晴明たちの日常を描いたショートアニメ『陰陽師・平安物語』が放送され、声優の杉山紀彰さんや釘宮理恵さん、沢城みゆきさんなど、原作ゲームと同じメンバーが続投されたことで話題を集めました。そして『陰陽百鬼物語』もまた杉山さんたちを起用したアニメーションとなる予定だったようですが、続報がないまま現在に至ります。

 ちなみに原作ゲーム『陰陽師本格幻想』は2024年現在も活発で、6月には新作のスマートフォンゲーム『陰陽百鬼物語GO』がリリースされました。タイトルが同じだけに、複雑な心境を抱える人も多いようです。