新日本プロレスは11月6日、都内のテレビ朝日で来年1月4日の『レッスルキングダム 19 in 東京ドーム』と同5日の『WRESTLE DYNASTY』(会場は同じく東京ドーム)に関する記者会見を開いた。
【画像】今年の1.4東京ドームで、新社長に就任した棚橋弘至が王者・ザックを見事撃破! 1.4のセミファイナルでは、IWGP GLOBAL ヘビー級王者のデビッド・フィンレーに、新世代の辻陽太が挑戦することが決定した。フィンレーは辻に『G1クライマックス』公式戦と、セミファイナルで敗れており、是が非でもリベンジをしたいという気持ちから、辻を次期挑戦者に逆指名した。
そんなフィンレーに辻は「まず最初に、『G1』で2連敗している俺に対して、『このベルトを賭けて闘おう』と言ってくれたフィンレー選手に敬意を示したいと思います。やっぱり、彼はWAR DOGSのリーダーでボスドッグですね」と敬意を口にすると「ただ一つだけ、俺が気になるのは、WAR DOGSっていうのはたしかにバイオレンスで残酷なユニットなのかもしれない。ただ、リーダーのフィンレーは乱入を使ったり、武器を使ったり、彼一人だけがこざかしい真似をして、プロレスをしているという点です。皆さんもご存じだと思います。俺もわかってます。彼は新日本プロレスを代表する一人のメインイベンターであり、トップレスラーであるってことを。今日のこのスーツを見ても、彼がトップであるということは誰が見ても納得することだと思います。なので、新日本プロレス年間最大のビッグマッチ、1.4東京ドーム大会は、スピード、技、パワー、すべてを正々堂々とぶつけるプロレスが彼とできたらなと思ってます」と1.4ドーム大会ではクリーンファイトで闘うように迫った。
対するフィンレーは「今現在、自分はなんとなく足元をすくわれるような中、歩いている。けれども、信じられないぐらいほど素晴らしいレスラーであり、天才であり、WAR DOGSのリーダーである。いま目の前にはベルトが置かれ、そして強さを証明してきた男でもある。この事実、すべてにおいて、俺は夢を生きていると思っている。立ちはだかる敵をすべてなぎ倒し、すべてのものを手に入れて、いまここにいる」といつ誰が自身のポジションを狙ってきてもおかしくない現状に理解を示した上で、自らの実績をアピール。続けて辻に向かって「ただ、いまここで一つ心の中の正直な想いを言えば、ツジ、お前みたいな男のリベンジをこうやって受ける寛大さがどこから来ているかわかるか? この寛大さというのは、自分自身がユニットの強いリーダーであることと同時に、自分に向けて銃口を向けているのが敵のユニット、もしくは敵ユニットだけでなく、もしかしたら味方の中からも向けられているかもしれないという、そういった自分の中の焦燥感からもある。今回、このタイトルマッチをすることで、自分は今以上により強さを証明しなければいけないと思っている。自分にとって誰から銃を向けられているというのが、今までわかっていないとでも思ったか。俺はちゃんと気づいていた」と銃を「味方の中からも向けられているかもしれない」というバレットクラブのリーダーとしてWAR DOGSやH.O.Tのメンバーから舐められないためにも、フィンレーは今回の一戦を選んだようだ。確かにバレットクラブは歴代リーダーが追放されることが多いだけに、フィンレーが警戒感を抱くのも仕方ないだろう。
また辻にはIWGP GLOBAL ヘビー級王座というタイトルに関する質問が飛ぶと「IWGP GLOBALというのは、IWGPヘビー級のベルトが統合されて、いままであったインターコンチの代わりにできたベルトだと思っています。なので、自分の中ではIWGP世界ヘビー級のベルトが新日本プロレスの中ではトップだと思ってます」とキッパリ。かつて中邑真輔(現WWE)の代名詞でもあったIWGPインターコンチネンタル王座の復刻版というイメージを持っていると同時に、団体最高峰のタイトルはIWGP世界ヘビー級王座であることには変わりないという認識を示した。
その上で「ただ、4月に内藤さんに負け、8月の『G1』決勝でザックに負け、今現状、俺にIWGP世界ヘビー級に挑戦する資格は自分自身ではないと思ってます。ただこうして、フィンレーが『このベルトを賭けて闘おう』そういう風に言っていただけたので、自分は覚悟を持って精一杯応えるつもりですし、この白いベルトを彼にこれ以上汚さないでほしいと思ってます。そしてこのベルトを俺は自分のやりたいことを叶えるため使う、その一歩にしたいと思ってます」と、まだフィンレーのダーティーなイメージしかついてないこのタイトルを辻のカラーに染めていく意向だ。
辻のコメントを聞いていたフィンレーは「正々堂々ってどういうことだ? デビッド・フィンレーとして長年プロレスをやってきて、父(デーブ・フィンレー)に言われたことがある。『勝つならば何としてでも勝て』この一言をチャンピオンとして実現するのであれば、そして昨年の『レッスルキングダム』同様にチャンピオンとしてリングを降りるためならば、どんな手を使ってでも勝ちをあげるという気持ちでいる。必要ならば、首、腕、背骨、どこでも破壊して勝利を手にしてやる」と辻の話に聞く耳を持たず、当日もダーティーファイトを仕掛けていくと予告した。
メインを任された海野からは、こちら側にも気負い過ぎているイメージがヒシヒシと伝わってきたが、辻は相性のいいフィンレーが相手とあって、終始余裕ある表情を見せていたのが印象的だ。この試合がメインで行なわれるIWGP世界ヘビー級選手権試合(ウィル・オスプレイ対海野)と比較されるのは確実。新世代2人に託された1.4ドーム大会は、今後の新日本マットを占う上でも重要な2試合と言っても過言ではない。結果だけでなく内容も問われる2試合となる。
取材・文⚫︎どら増田
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