映像作家・映像ディレクターが語るBMCC6Kの魅力とDaVinci Resolveでのルック作り Vol.06 [Blackmagic Cinema Camera 6K Scene]

作例1:ショートフィルム Drift

Shuma氏:

これは全編BMCC6Kで撮った「Drift」という作品です。ずっと流氷を見たいと思っていて、この冬に知床へ1人で行って撮ってきました。

Shuma氏:

BMCC6Kは、自然合いますよね。すごいテンション上がりました。

山本氏:

これはね、モニターを見ながら「これはやべえの撮れてる」ってなります。編集無駄に時間かけちゃいそう。

Shuma氏:

本当にね、光の捉え方がいいですよ。

山本氏:

そうですね。ブラックマジックって光がすごく美しく映るんですよね。これちなみにフィックスのショット以外は全部手持ちですか?

Shuma氏:

手持ちですね。

山本氏:

そう、手持ちで結構いけるんですよ、皆さん。

Shuma氏:

1人だったので、機材とか別にそんな持って行ってないんです。カメラとレンズ、以上!みたいな。

山本氏:

止め画みたいなとこって、こうやって構えて撮ったんですか?

Shuma氏:

そうですね。そういえば、三脚を持っていく余裕もなくて、一脚で行きました(笑)。

Shuma氏:

音は環境音だけで、環境音も実際は後付けなんですけど。そこで聞いた音を帰って思い出して再現して作っていったっていう感じです。この辺の流氷たちを一番見たかったんですよね。

山本氏:

すごく印象的だったのが、雪の粒のきめ細やかな感じだったりとか、ちょっと差し込んでる光が非常に柔らかくて美しいなと思いました。

Shuma氏:

今回、ほぼNikonのオールドレンズの50mm、1本で撮ったんですけど。

山本氏:

めっちゃ映りいいですね。雰囲気がすごくいい。


Shuma氏:

これは本編に使ってないんですけど、すごい好きな光と色が出ているので、せっかくなのでここでお披露目しておこうと思って(笑)。雪国に本当にぴったりでした、このBMCC6K。

山本氏:

収録はBRAWでそれをグレーディングしてますよね。

Shuma氏:

そうですね、グレーディングで結構変えたんですけど。そちらは後でお見せします。でも、カメラのLUT当てるだけでもかなりいい画になりますよね。

山本氏:

それなんですよね!第一回の対談で井上卓郎さんにグレーディングのやり方を見せてもらったんです。DaVinciのカラーマネージメント設定にあるカラーサイエンスからDaVinci YRGB Color Managedを選んで保存してあげると、BRAWって撮影時の設定が正しければ、それだけで色がほぼ戻ってくる。あれを見てから、BRAWおよびBlackmagic Cameraアプリで撮る時に、それしか使ってないです。色をニュートラルに戻して気になるとこだけちょっと直して、最後にLUT当てて直すみたいな。他のカメラのRAW素材で同じことやってもそこまで綺麗にはいかないんで、結構直すんですけど。なんでこんなに簡単に戻ってくるのかっていうところもブラックマジック使って感動するポイントです。


Shuma氏:

これも好きなカットなんすけど。僕が(BMCC6Kで)一番いいなって思ったのが、すごいスキントーンが綺麗なんですよね。別に以前も綺麗だったんですけど、BMCC6Kになってから、より素直な色になったなと。何が原因なんだろう。ローパスフィルターって変な色かぶりとかなくなったのかな。

山本氏:

おそらく、それがうまく作用してるんじゃないかな、と僕も評価してるんですけど。

Shuma氏:

なんとなくブラックマジックのクセみたいなのがBMPCCとかにはあったんですけど、いいところは残しつつ、よりリッチに感じるのはそこかなって思って。結構クセのない素直な色が出やすくなってる気がします。

山本氏:

そうですね。BMPCC4Kとか6Kプロが汚いってわけでは全然ないですけど。僕が下手なのかもしれないですが、肌の色をより自分の持っていきたい色にするのって結構難しいなと僕は思っていて。

Shuma氏:

いやいや、カメラを選ぶ時は、結構そこが基準になったりしますよね。綺麗だけど肌の色(の調整)が難しいというか、追い込めば綺麗にできるけど、なんか素直に綺麗な色にならないカメラとかもあったりするので。BRAWはかなり素直なコーデックなので、本当にグレーディングしやすいですよね。

山本氏:

僕、自分で撮るようになったのが、3年前ぐらいからなんですけど。これ(BMCC6K)を初めてグレーディングでいじって作品を作った時の感動ったら。僕みたいな下手くそがやっても、こんなに思い通りにいくのかって思った記憶あります。

Shuma氏:

本当にね、自分うまっ!て思わせてくれるカメラですよね、これ。

山本氏:

そうなんですよ。だから、これで撮った後に、俺もしかしてめっちゃ上手くくなったのかもしれんと思って、別のカメラの素材を触ったら、やっぱり違ってて、あれが使いやすかっただけだったんだってね。グレーディング悩んでる方はおすすめです。

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作例2:花王キュレルWEB CM

Shuma氏:

さきほどの作品は自主制作だったんですけど、これはがっつり広告で使ったやつで。パリ五輪に出場していたボルダリングの楢崎智亜選手とキュレルのタイアップの広告で(BMCC6Kを)使わせていただきました。

Shuma氏:

この時は、いつもお願いしているカメラマンに撮影をお願いして、カラリストもいたんですけど、2人ともこの画質にテンション上がってました。そのカメラマンもずっとブラックマジックのカメラ使っていたので、(自分が)初めてこのフルフレームカメラ触った時と同じような感動でしたね。

山本氏:

ブラックマジックのカメラ使ったことないっていうカメラマンにブラックマジックのカメラ任せられないですもんね。めちゃくちゃ実績ある人だったら別ですけど。特に手持ちで撮ってもらおうと思ったら、ある程度ちゃんと撮ってくれる人じゃないとなかなか難しいですよね。

Shuma氏:

この時も、ほぼ手持ちでいったかな。オープンゲートにはまって、もうそのまま行っちゃおうみたいな感じで。さっきの作品もこれも3:2で作ってるんです。