通算107勝を誇る史上最強のプロゴルファー、タイガー・ウッズのスイングを解説する。
ハイパワー&低負荷な合理的スイング
アドレス
とてもバランスのいいアドレスで、どこをとっても教科書的な構えです。
しいていうならばヒザを曲げる角度が浅く、スッと立っているような印象を受けます。タイガー選手は切り返し以降で沈み込むので、そのための幅をもたせているのでしょう。
バックスイング〜トップ
Point
上半身、下半身、クラブのすべてが同調して動き出す(画像左)
下半身、上半身、そしてクラブが同調して動き出す丁寧なバックスイングです。手元よりもやや遠くにクラブヘッドが動くので、手首でクラブの重みを感じとっています。
また、ほんの少しでもヘッドをアウトサイドに上げていくことで、切り返しの際にインサイドへループさせシャフトへ効率的に負荷をかけることができる。極端なレイドオフやクロス、手首の掌屈などもない美しいトップです。
ダウンスイング〜インパクト
Point
タイガーの特徴でもある沈み込む動作は健在(画像左)
切り返しからは股関節の曲がりが深くなり、左ヒザを強烈に伸ばす準備をします。そのヒザを伸ばす力の反動でクラブが振り下ろされるので、下半身の力がクラブへ効率よく伝わるのです。
右足に関してはほぼ力感がありませんので、切り返した段階で体重の8割程度が左足に乗っていると考えていいでしょう。
フィニッシュ
Point
背中がほぼ垂直になり、腰に負担の少ないフィニッシュ(画像右)
右足が左足に寄り、背中は地面に対して垂直になります。股関節や腰、背中に負担のないバランスのいいフィニッシュです。ヒジは肩の高さよりも低く、リキみもまったくありません。
アマチュアゴルファーにとって、もっともお手本とすべきフィニッシュといえますね。
いかがでしたか? 史上最強ゴルファー、タイガー・ウッズの教科書的スイングを参考にしてみてください。
Tiger Woods(タイガー・ウッズ)
●1975年生まれ。185cm、84kg。通算107勝を誇る史上最強のゴルファー。度重なるケガと手術でスイングは少しずつ変化を遂げているが、何度も這い上がってきてはツアーで優勝を果たす。ZOZOチャンピオンシップでも復活優勝を果たし、記念すべき初代チャンピオンになった。
解説=渡邊 康
●わたなべ・やすし / ツアープレーヤーとしてのキャリアを積んだのち、2012年からレッスン活動を開始。現在は麻布十番の「FOXY GOLF」にてツアーで得た経験と知識を生かして、生徒一人ひとりに合わせたレッスンを行なっている。
写真=田辺JJ安啓
※選手の成績やデータは10月12日現在