『ガンダム』の富野監督、『ボトムズ』の高橋監督、『ルパン三世』の吉川監督が名を連ねる伝説のアニメ版『ウルトラマン』のラストエピソードに注目!



『ザ☆ウルトラマン』(C)円谷プロ

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豪華アニメスタッフが多数参加した背景

 子供から大人まで、日本人なら誰でも知っている特撮巨大ヒーロー「ウルトラマン」。このウルトラマンにアニメ版があることをご存じですか?

 1979年にTBS系列で放送された『ザ☆ウルトラマン』です。

 製作はもちろん円谷プロダクション。そして、アニメーション実制作は、あの『機動戦士ガンダム』の日本サンライズ(現:バンダイナムコフィルムワークス)で、ちょうど『ガンダム』と同時期に同じサンライズの別スタジオ(作品ごとに別のスタッフが集まって別班を組みます)が、円谷プロダクションの下請けとして制作したものです。

 ただ、当時の日本サンライズは、その前の年までスタジオ3つぶんのスタッフしか抱えておらず、たまたまこの79年は『機動戦士ガンダム』『未来ロボ ダルタニアス』『サイボーグ009』、さらに『ザ☆ウルトラマン』『科学冒険隊タンサー5』の計5作品を同時に制作することになってしまいました。

 そのために、当初『ザ☆ウルトラマン』の制作スタッフのほとんどは『ガッチャマン』や「タイムボカンシリーズ」などで有名なタツノコプロダクション(当時)で活躍されてきた方たちが担っていました。

 日本サンライズは、いわゆる社員制ではなく、作品ごとにフリーのスタッフを集めるシステムでしたので、これは決して特殊なことではありません。

 しかし、それゆえ、さまざまな要因から途中でスタッフが変わったり抜けたりすることもあり、『ザ☆ウルトラマン』も、制作半ばで、監督をはじめメインスタッフの多くが入れ替わることになってしまいます。

 タツノコ系の鳥海永行監督に代わり、後に『太陽の牙ダグラム』や『銀河漂流バイファム』の監督を務める神田武幸さんが監督に就任、さらに数週間早く制作を終えたガンダム班のスタッフが、手薄だったウルトラ班に投入されます。

 特にシリーズの終盤には「絵コンテ」と呼ばれる物語をどのような映像にするかを決める重要な作業に、『機動戦士ガンダム』の富野由悠季(斧谷稔名義)監督や『装甲騎兵ボトムズ』の高橋良輔(山口和十八名義)監督、演出にも同じく『ガンダム』の関田修氏をはじめ、作画に『ガンダム』を担当していたスタッフが手を貸し、『ルパン三世』や『ボトムズ』などでもSF要素満点の物語を見せてくれた吉川惣司氏らの脚本のもと、宇宙を股にかけたサンライズアニメならではのウルトラマンが展開するのです。

 2024年11月22日に発売される『ザ☆ウルトラマン』ブルーレイBOXには、特典として物語を締めくくる最後の4話分を再編集し、新規ナレーションとダイジェストを追加し一本の長篇アニメ映画作品としたものが収録されますが、放送から45年の歳月を経て制作されたこの劇場版は、関係者からも高い評価を得ました。

 発売に先行して、10月に開催された「円谷映画祭2024」で、この長篇アニメ映画は全国23か所の劇場で2週間限定上映もされました。実は、私自身、当時『ザ☆ウルトラマン』班で設定助手を務めておりました。

 このブルーレイに収録された富野監督たちも力を貸してくれたラストエピソード、是非ともみなさまにも見ていただけたらうれしいです。