無機起源説の意義と将来展望

石油の無機起源説は、従来の石油資源に関する考え方を大きく変える可能性を秘めています。

生物起源説では、石油は有限の資源であり、いずれ枯渇するとされていますが、無機起源説によれば、石油は現在も地球内部から供給され続けるため、地球が存続する限り無尽蔵であるということになります。

また、無機起源説に基づく探査技術が進展すれば、従来の油田では見つけられなかった新しい油田やガス田を発見できる可能性も高まります。

これにより、エネルギー資源の安定供給が可能になり、世界のエネルギー問題に対する解決策となるかもしれません。

無機起源説はまだ議論の余地があるものの、これまでの実験結果や地質学的根拠は、この理論の正当性を裏付けるものとなっています。

この無機起源説によって、今後の石油探査は大きく変わるかもしれません。

従来の方法では探せなかった、新しい石油の埋蔵地が見つかる可能性が高まります。

地質学的な調査や物理的な実験結果が、この説をさらに強力にサポートしています。

これにより、石油が枯渇するという不安が減少し、新しいエネルギー資源の探査方法が開発されるかもしれないのです。

これまでの常識では、石油は限られた資源であり、いずれは枯渇すると考えられていました。

しかし、この「非生物起源の石油説」が正しければ、地球の寿命が続く限りまだ無尽蔵のエネルギー資源が存在していることになります。

マントルから湧き出る「無限の石油」によって、新たなエネルギー時代を切り開けるかもしれません。

 

参考文献

石油の無機起源説に関する最近の進展
https://www.jstage.jst.go.jp/article/japt/80/4/80_275/_pdf

元論文

Deep-seated abiogenic origin of petroleum: From geological assessment to physical theory
https://doi.org/10.1029/2008RG000270

ライター

鎌田信也: 大学院では海洋物理を専攻し、その後プラントの基本設計、熱流動解析等に携わってきました。自然科学から工業、医療関係まで広くアンテナを張って身近で役に立つ情報を発信していきます。

編集者

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。
大学で研究生活を送ること10年と少し。
小説家としての活動履歴あり。
専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。
日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。
夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。