11月9日、フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯が国立代々木競技場第一体育館で男子フリーが行なわれ、ショート首位発進の鍵山優真がシーズンベストを更新する194.39点を叩き出し、驚異の合計300.09点で大会2連覇を果たした。ノーミス演技を披露した壷井達也が3位(251.52点)でGP初の表彰台に上がった。一方、三浦佳生はミスが響き得点は伸び悩み240.38点(6位)。日本勢の表彰台独占は惜しくも叶わなかった。
前日は今シーズン世界2位の高得点をマークし、大トリで登場した鍵山。冒頭の4回転フリップは転倒してしまうが、続く4回転サルコウ、4回転+3回転の連続トウループは次々と着氷していき失敗を引きずらず、観客は大きな拍手を送った。
単独となる後半の4回転トウループを何とかこらえ、ミスを最小限にとどめた鍵山は、曲調が大きく盛り上がる後半ではステップを軽やかに踏むと、会場は手拍子で後押し。フィニッシュ後はすべてを出し尽くしたように天を少し見た。リンクサイドで振り付けを手掛けるカロリーナ・コストナー氏と固い握手を交わすと、ようやく笑みを浮かべた。
得点が発表されると、安堵した表情を浮かべた鍵山。他を寄せ付けない圧巻の演技で今季GP初戦を制した21歳が昨季から大きな進化を遂げた。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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